命令調のサブタイトルですが、あんまり気にしないでください。単なる何かのパクリなんです。
相変わらず長いサブタイルではありますが、これでもだいぶ省略したんですよ。正式には「この四コマ漫画を読め! ただし萌え四コマと実話系四コマ漫画は除く(だって読んでいないから)、でもたまにショートコミックは含む(だって好きだから) 芳文社編」です。
とまぁ、そんなわけで今回は芳文社系の四コマ漫画を紹介。
ではでは、いつもの様にまずは脱線して芳文社の紹介から。
本社はJR水道橋駅のたもとにたってます。店主はたまにテクテクと目の前通ります(どうでもいいか)。1946年、孝壽芳春(こうじゅよしはる)に依って前身となる尚文館(しょうぶんかん)が設立されます。そして1950年に現在の芳文社に社名変更。ちなみに初代社長の孝壽芳春は、「漫画少年」の学童社に少しだけ(資金的に)関与していいます。
1956年に日本初の週刊漫画雑誌となる「週刊漫画TIMES」を刊行。更に1981年に、「週刊漫画TIMES」の増刊として日本初の四コマ漫画専門の月刊誌「まんがタイム」を刊行します。とまあ、そんなわけで実は四コマ漫画の老舗なんです。
そんな芳文社が現在出している四コマ雑誌は、一般向で「まんがホーム」、「まんがタイム」、「まんがタイムファミリー」、「まんがタイムオリジナル」、「まんがタイムジャンボ」、「まんがタイムスペシャル」の6誌。
いわゆる萌系が、「まんがタイムきらら」、「まんがタイムきららMAX」、「まんがタイムきららキャラット」、「まんがタイムきららミラク」、「まんがタイムきららフォワード」の5誌。
実話系が「超本当にあった(生)ここだけの話」の1誌。
とまあ2015年現在12誌の四コマ雑誌を抱えているわけです。これも日本一ですね。
まずは一般向けの看板誌「まんがホーム」をご紹介。
創刊は1987年12月号。タイトルの「ホーム」が示すように、当初は家庭的なアクの少ない万人向けの誌面づくりで作家も古参が中心だったが、2005年頃に、むんこ「らいか・デイズ」が表紙を飾るようになった頃からは、比較的若い新人も採用するようなってきた。2015年現在も、むんこ「らいか・デイズ」が表紙でかつ看板作品である。
作者のむんこは同人誌出身で、コミケとかコミティアなんかもたまに出ております。コミケでは「べにばなみりん」のサークル名で2次創作やオリジナル。コミティアでは曙はると合同でサークル「さるばな」で出ております。ただしコミティアの方は最近あまり見かけませんが。
まぁ、「らいか・デイズ」の様な超有名作品をわたくしごときが解説するのもオコガマシイので謹んでパスでございますww
他にも、ユキヲ「宇宙ファラオ パトラちゃん」、宮成樂「天国のススメ!」とか新進の4コマ漫画あるのですが、まあそこら辺も取り敢えずパス。
ではどこらへんを紹介するかといえば、まずはこれ…
・松田円「200年の夜と孤独 〜おひとりさま吸血鬼〜」
連載開始は2013年4月号からと雑誌の中でも比較的新し目の作品。
松田円の漫画は設定が特殊であればあるほど面白さを発揮する。例えば無口でロボット顔の旦那と超童顔だけど怪力の持ち主の妻の夫婦生活を描いた「合金さんの日常」(ちなみに「ごうきんさん」ではなく「あいがねさん」と読みます。でも誰もそう読んでくれない)。
もっと特殊なのは、夏場だけトンネルにでる地縛霊が主人公という超地域と季節限定四コマ漫画「トンネルの華子さん」。華子さんは、ほぼ金髪のノースリーブミニスカ眼鏡でポンキュッポンの派手美人、生前は写真が存在していなかったというから確実に100歳オーバーなのに、厚かましくも永遠の24歳。異人さんの子供として虐められていたちょっと暗い過去があるようなんだけど、本人も実は忘却の彼方。
この「200年の夜と孤独」もかなり設定は特殊。主人公は一見妙齢な女性みたいに見えるけど実は齢200歳超えの吸血鬼。200ウン年ほど前の飢饉の時に吸血鬼に血を吸われたらしい。100年位前までは山奥で山姥みたいな生活していたらしいが、やがて町に降りてきて、一人でこっそり吸血鬼だとばれないように生活している。現在の名前は月夜野しのぶ。性格はちょっとアンニュイ、だけどたまに凶暴。血を吸う以外はものを食べたりしないので、あまり生活費はかからないけれど、暇なので深夜のコンビニバイトとレンタルビデオ店のバイトを掛け持ちしている。
吸血鬼だから、にんにくは嫌いで、日光で焦げたりするけど、腕力は化け物並みで、不老不死。深夜の公園で痴漢や変質者やヨッパライを襲っては血を吸う。コウモリに変身できるけど逆さまにぶら下がるのは苦手。
吸血鬼になったことで飢饉で死ぬことはなかったけれど、代わりに永遠の孤独を手に入れてしまった月夜野さんの、ちょっと孤独でアンニュイでおとぼけな日常を描いた作品。最近の松田円作品は単純なギャグだけにとどまらない微妙なサジ加減の良さが光っている。
ちなみに作者は楽田トリノ名義でたまにコミケやコミティア等の同人誌即売会に出たりします。でも楽田トリノの同人誌は基本BL系なんで店主は買ってません。
・木村和昭「おかあさんがいっしょ!」
タイトルは「おかあさんと…」ではなく「おかあさんが…」。ここんとこ重要です。しかも漢字で書くと「お母さん」ではなく「お義母さん」になります。ここんとこもっと重要です。
基本的には、嫁、姑、たまに旦那の3人による掛け合い漫才的な四コマ漫画。
旦那の名は猫柳玉男。ごく普通のサラリーマン。嫁とは電車の中で居眠り姿を見つけて惚れ込んで結婚。肉より魚が好き。
嫁の名はみい子。専業主婦のくせに家事全般は超苦手。特技は寝ること。いついかなる場所でもよく眠る。食欲旺盛だけど姑には負ける。
姑の名は寅子。家事全般はそれなりにこなすが、食欲魔神である。主食がトンカツと焼き肉ではないかというほど肉が好きで、肉屋の主人との掛け合い漫才はもはや定番ネタ。ぐうたらな嫁のことで愚痴ったりもするが、基本的には嫁とは仲が良い。
登場人物の紹介しただけで、ほとんど作品解説になるという、コレッくらいキャラクタに依存した漫画も少なかろうという感じ。
連載開始は2005年7月号から。ちなみにもともとタイトルは「おかあさんがいっしょ」で、2012年に1年ほど休載の後に「おかあさんがいっしょ!」(大して変わってないか)で奇跡の復帰した珍しい作品でもある。
木村和昭は「まんがタイム」誌の方では、「ニッポンのワカ奥さま」という、みい子とは全く真逆な古風な良妻(ただしやり過ぎてギャグになる)ネタの四コマ漫画も描いている。
どちらも絵柄や作風設定などは少し古典的な感じがするが、現在の萌系流行りの中にあっても遜色はない(ただあまりブレークもしなさそうではあるが)。
木村和昭の年齢は不詳であるが、少なくても50歳より上なのは間違いない。それもそのはず、1980年〜82年にかけて秋田書店少年チャンピオンで「べにまろ」というギャグ漫画を描いていたから。90年台は全く見かけなくなっていましたが、2000年台になってまた復帰したという、これもまた珍しいマンガ家さんです。
2000年台の復帰作は「アンラッキー・幸子」というホラー系四コマ漫画、さて紹介しようと思ったのですが、アマゾンで注文した単行本がまだ手元に届かないや(この時点で締め切り1日前っ!ww)。
2日が経過…。
「アンラッキー・幸子」到着〜(締め切りから1日過ぎちゃった。編集Fさんゴメンナサイ)。
表紙を見ると、正式には爆笑メランコリー4コマ漫画「アンラッキー?幸子」のようです(何が爆笑メランコリーなんだかよくわからん)。
絵柄を見て同一作者だと見ぬく人間はまずいなそう。初出が未記載なんで、推測入りますが、おそらく90年台末期の秋田書店「サスペリア」で毎月4〜10ページのペースで2年ほど連載されていたようである。
主人公の名前は福田幸子。幸子の幸はどこにもない♪ってな感じの不幸と貧乏とスプラッターといじめネタ満載。ネタの濃さは強烈で、月刊誌の添え物的に毎回少しだけ読んでる分には良いけれど、単行本一気読みすると、天下一品の超こってりを一気食いした気分になれます。単行本には第1集と記載があるけど、まず間違いなく2巻以降はでていませんね(憶測)。
こんな単行本があるとこみると、木村和昭もいろんな雑誌でちょこちょこ連載やっていたのかもしれませんね。
さて書き上がった文章よく見たら、「まんがホーム」以外の作品紹介していないや。というわけで今更ながらサブタイトルを変更させていただきます(ひで〜)。
「この四コマ漫画を読め! ただし萌え四コマと実話系四コマ漫画は除く(だって読んでいないから)、でもたまにショートコミックは含む(だって好きだから) 芳文社『まんがホーム』編」となります。よろしくお願いいたします(何を今更)。
ところで資料として「おかあさんがいっしょ!」の単行本が必要だったので、腐海から発掘しようとしたのですがどうしても出てこない。仕方がないからアマゾンで注文したんですよ。到着して、取り敢えず読み終わって腐海の本棚に収めようとしたら、目の前にあるじゃん(泣)。そんなわけでダブった「おかあさんがいっしょ!」の単行本を愛読者?プレゼントとして差し上げます。コミケかコミティアかMGM2.0の漫画の手帖事務局スペースに於いて「おかあさんがいっしょ」を下さいと申し込んで下さい。先着1名様なのでなくなっちゃったらゴメンナサイ。
ではまた次回〜お楽しみを〜。
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