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『愛に咲く花』 横田徳男(よこたとくお)
1957年4月発行 島村出版
値段:20,000円 売切

 

 

 

 よこたとくおと云えばかの有名なトキワ荘のメンバーであるが、その割にはもう一つ知名度のない方である(失礼)。

 古い少女マンガを読んだ人であれば、週刊マーガレットに連載(1963年の創刊から約2年間)された「マーガレットちゃん」を思い出すかも知れない。最近の漫画好きの方ならば学研のひみつシリーズなどの学習漫画を思い出すかも知れない。

 本名横田徳男。1936年10月30日福島県生まれ。赤塚不二夫と西荒川(現在の江戸川区小松川近辺)で共同生活の後、1957年頃トキワ荘に入居する。トキワ荘には3年ほど入居していたらしい。

 初期は少女マンガやギャグマンガが主体であったが、その後学習漫画などに注力するようになる。現在でもこのようなサイトで活躍ぶりがうかがえる。

 今回の「愛に咲く花」という作品は1957年4月に島村出版から出された。デビューの「山びこ剣士」から1年以上が経過しており、少女マンガとしては絵柄は既に完成の域に達している。

 ストーリーは、貧しい農家の娘ユリエを軸に修学旅行先で出会ったスリの仙太がやがて相撲界で十両優勝を果たすという成長物語というものである。

 状態は、カバー袖貼り付け、カバー少サケイタミ(カバー表紙側の折り返し部が2cm程欠け)、内部少サケイタミだが、ページ欠けなどはなくおおむね良好である。

 


 

 本体背の著者名は”横田徳夫”となっているが、扉と奥付の表記では”横田徳男”。

 力士の取り組みの様子なども正確に丹念に描かれている。こういった描写を観ると、後年学習漫画に主力を置いた理由が理解できる。


東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮