湖玉次吉といっても、あまり知名度のあるマンガ家ではない。 昭和30年〜34年頃までは漫画少年などの少年誌に少し名前が見受けられたり、東京漫画出版社のB6単行本が何冊か(冊数不明)有るくらいである。昭和35年頃から若木書房に移ったようで、そこでは”こだま”や”風車"などの短編誌を中心に活躍していた。
名前の表記は”湖玉次吉”以外には、”湖玉つぎよし”。”こだまつぎよし”等があり、ごく稀に”小玉つぎよし”名義も存在する。
個人的に確認できた最後の作品は、1965年発行の”風車40号”。約10年間ほどしか名前を見かけることが出来ない。
そんなわけで今回お薦めの理由は、作者のネームバリューは全然関係なくて、内容にちょっと心惹かれたからです。
ストーリーは、悪人によって身体が巨大化する薬を打たれた少年が鉄の鎧を身にまとい大暴れするというもの…という風に書くと"ビッグX”を連想するけれど、描かれたのは”ビッグX”の連載より6年も前です。
構成がちょっと凝っていて、巻頭からいきなりクライマックスシーンが始まる。そして19ページ目で”THE END”が表記され、20ページ目に目次が現われ、22ページ目からプロローグが始まり、そこからクライマックスに至るストーリーが展開される。
全128ページで巻頭16ページがカラー。
本の状態はカバー袖貼り付け、本体に糸穴あり、奥付に貸本屋印、数カ所少サケがありますが欠け等はなく状態比較的良好です。
|