神保町裏通り日記  
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2011年
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5月28日(土)
天気(雨)

 

 台風2号が接近中です。今年の台風上陸は早いな〜。まだ5月なのに(^^;。

 今週の新着目録です。

 先週予告した雑誌はナシです。すいません。何だか新書版の買い入れが多くてそちらが優先になってしまいました。とりあえず粛々と処理しているのですが、店内山積み状態になっています。とりあえず今週は里中満智子とマーガレットコミックスのちょっとレアなのと小学館メルヘンリーフが5冊です。

 まずは里中満智子のコミックス。今回売り切れ補充も多いので、新規追加分だけ解説。

 

 「海のオーロラ」全8巻。ムー大陸で結ばれることがなかった二人が、古代エジプト、邪馬台国、ヒトラー政権下のドイツ、そして未来へと輪廻転生を繰り返すお話。
  「スポットライト」全4巻。果たせなかった母親の夢を叶えるためにスターへの道を目指す少女のお話。

 

 「イザベル」。表題作は何処かの国のぶどう園の御曹司と貧しい少女の恋物語。同時収録の「青い季節」は思春期の少女の揺れる恋ごころを描いた作品。どっちかというとこちらが好みだった。
 「幸福の条件」。なぜかこちらも同時収録の「遠い青空」の方が好み。里中満智子の作品って、大河ものか、アンハッピー物のほうがすき(ひねくれてるかな(^^;)

 「愛の墓標」全2巻。ヤングレディ掲載のレディースもの。内容も典型昼メロ風。もうちょっと他に言い方がないかとも思うのだけれども、やっぱり昼メロ風としか思いつかない(^^;

  

 川崎苑子「あのねミミちゃん」全4巻です。全4巻揃って入荷は久しぶり。1巻目のうしろ見返しに著者サインが入っております。カバーコンディションがちょっと良くないですが、大きな難はありません。

 藤原栄子「チビでも選手」全2巻。バスケットボール題材のマンガは当時ちょっと珍しい。石井まさみの「青い鳥の伝説」とどちらが先なんだろう。

 

 

 

 小学館メルヘンリーフ5冊とサンリオギフトブックシリーズ1冊です。

 左上から大島弓子「9月の情景」、岸裕子「散りぬるを -玉三郎恋唄-」、名香智子「花の夜想曲」、牧野和子「サマー・エンジェル」、風間宏子「少女 -光の中の妖精たち」。小学館メルヘンリーフはハードカバーでB7版という小さなサイズのイラスト詩集です。全部で10冊刊行されました。カバーがニスコートの為、汚れが染み込みやすくあまりきれいな状態のものが出てきません。それがちょっと惜しいです。
 右下はサンリオギフトブックシリーズで上田とし子「友情とは……」。各編、”友情とは…”の言葉から始まるイラスト詩集です。こちらは文庫本サイズのハードカバーです。

 来週こそは「ボニータ」やりたい(^^;

 

 

 

 

5月21日(土)
天気(晴)

 

 何だかすっかり夏模様です。去年の夏はとても暑かったのですが、今年も暑そうですね。

 今週の新着目録です。セブンティーンコミックスの単行本が主体です。ちょっとだけ貸本と雑誌の「眠れぬ夜の奇妙な話」がありますが、ほんのちょっとだけですし、これを書いている時点で売り切れてます。貸本も「眠れぬ夜の奇妙な話」も在庫がまだ結構あるのですが、ちょっと処理がうまく進んでいなくて今回はこれだけになってしまっております。そのうちちゃんとアップします。

 武田京子とか井上洋子とか福原ヒロ子とか鈴木雅子とか立原あゆみとかとか。セブンティーンで描いていた人は、結構現在もレディス系雑誌で活躍している人が多いです。

 

 市川ジュンが2冊。市川ジュンのマーガレットコミックスは最近見かけなくなってきております。

 

 

 文庫も少々。左上の鈴木雅子「珠姫草子」は、個人的にちょっと好きな作品。不治の病(余命2年)に冒された少女が代理出産(人工授精じゃなくてね)引き受けます、というお話(この説明じゃわかなんないか(^^;)。

 下の佐伯かよの「緋の稜線」は全16巻。比較的長編が多い佐伯かよのですが、この「緋の稜線」が今のところ一番長い作品のようです。

 来週は「ボニータ」と少しだけ別な雑誌をアップしたいと(あくまでも予定ですが)…

 

 

 

5月14日(土)
天気(晴)

 

 

 何だか急に暑くなってまいりました。この夏の電力がちょっと不安な陽気の今日この頃です。

 今週の新着目録です。虫プロの雑誌「COM(コム)」です。

 

 創刊は1967年1月号で当時の定価が150円でした。第1期の廃刊が1971年12月号。この時の定価が240円。その後の1983年に8月号から再創刊されるが、直後に虫プロ商事が倒産したため結局2期は1号しか刊行されませんでした。

 COMは数多くの新人を輩出したことでつとに有名、約5年間で青柳裕介、あだち充、居村真二、岡田史子、コンタロウ、竹宮惠子、能條純一、日野日出志、諸星大二郎、やまだ紫、長谷川法世、宮谷一彦等がいた。

 また後の同人誌のムーブメントを形成するきっかけとなった”ぐらこん”の存在も重要。デビューこそしなかったが、忠津陽子、山岸凉子、ふくしま政美、河あきら、泉谷しげる、飯田耕一郎、大友克洋、能條純一等もかかわっていた。

 個人的に好きな作品をちょっと紹介。

 

 左は1967年3月号。みやわき心太郎「つくしんぼう」。右は1967年5月号宮谷一彦「ねむりにつくとき」。

 

 左は1970年5月号、樹村みのり「解放の最初の日」。右は1970年11月号、あすなひろし「スウという名の童話」。

 

 左は1970年12月号、諸星義影(諸星大二郎)「ジュン子・恐喝」(デビュー作)。右は1971年10月号、萩尾望都「10月の少女たち」。

 グラコンからも少々紹介。

 1967年2月号のぐらこんから、岡田史子「太陽と骸骨のような少年」。

 1967年7月号、竹宮恵子「ここのつの友情」。

 1967年6月号、青柳裕介「陽炎」。

 1971年2月号、大友克洋「海が…」。

 わずか5年の期間でしたが、残したものは大きかった雑誌だと思います。廃刊になった直接のキッカケは虫プロ商事自体の営業的な問題だったようです。ただ雑誌自体を俯瞰してみるとマンガの全体規模が拡大するにつれ、COMという一雑誌では受け入れるだけのキャパシティに不足し始めていたのかも知れません。1970年代前半というのはマンガにとってそういう時代だったのかも知れません。

 来週はまたちょっと単行本に戻ります。雑誌もちょっとだけやるかも知れませんが、多分ちょっとだけです。

 ではまた来週〜。

 

 

5月7日(土)
天気(雨)

 

 GW中は実家の静岡にちょっと帰省してまいりました。普段は実家に帰って古本屋めぐりしても大してセドリができるわけではなく、せいぜい自分の暇つぶし用の本を買うのが関の山でした。なぜか今回久しぶりに大量のセドリをしました。しかし逆に大量すぎて手で持ってこれませんでした。てなわけでセドリの成果はいずれまた(^^;。

 今週の新着目録です。まずは新刊で巴里夫復刻シリーズ。

 

 5年ひばり組の2巻、3巻です。今回原稿スキャン時のクリーニング作業を業者に委託したため販売価格が前回よりちょっとあがってしまっております。何卒ご了承の程よろしくお願い致します。

 

 

 雑誌は今回1冊だけ。上記4画像は、別冊少女フレンド1965年新学期おたのしみ号からです。コンディションは悪いです。表紙を含めた巻頭4枚が欠落しております。普通でしたら廃棄処分の対象ですが、この時代の別冊少女フレンドはかなり希少ですので無理やりアップしました。

 1965年9月15日の刊期が記載されております。この当時は季刊で創刊が1965年3月ですので、この号が3号目になります。谷悠紀子、細野みち子、里中満智子、保谷良三、東浦美津夫、楳図かずお等、本誌である週刊少女フレンドの主力メンバーで構成されており、かなりメンツは良いです。

 単行本の方は陸奥A子のりぼんマスコットコミックスが10冊と篠崎まことのりぼんマスコットコミックスが7冊です。コンディションは今回結構良好です。

 

 篠崎まことは「りぼん1872年夏休み大増刊」、「恋するさくらんぼ」(単行本「ラブ・カルテット」収録)でデビューしました。独特の絵柄で、それなりにファンも多かったのですが、「りぼんオリジナル1983年冬の号(12月20日号)」の「最後にブルースでも歌おう」を最後に集英社から離れます。

 ぐみの実荘物語は、連作短編の形式で「りぼんオリジナル」に全5回掲載されました。そのうちの3回分は単行本「ぐみの実荘物語 前編」に収録されましたが、後編は刊行されず、結局残り2回分は単行本未収録のままです。出版社移籍に伴うことだと推測されますが、なんとも中途半端な状態です。

 今週はGWの影響でちょっと少なめになりました。来週は雑誌「COM」をちょっとアップしてみたいと思います。

 それでは、また〜

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮