暑さがたまにぶり返しますが、それでもだいぶ楽な日々です。
今週の新着目録です。久しぶりの同人誌以外(^_^;)



1974年夏頃の小学館週刊・別冊少女コミック全プレ&抽選プレゼント賞品「少コミ特製ブックチャーム」です。
ブックチャームと行っておりますが、布製の新書サイズのブックカバーです。
ちょうどフラワーコミックス版「ポーの一族」が1巻2巻3巻と立て続けに出た頃ですね。
今回同じものが2点ありまして、1点は布地にちょっと裂けがあります。


若木書房「銀河 6号」。鷹羽あこ率いるファンタジッククラブの同人誌的性格だった貸本短編誌「銀河」の6号です。
表紙は磨湖丈一(松久由宇)で、黒子光子「暗礁」と鷹羽あこ「かまくら」の作品が掲載されています。
松久由宇はその後割かしメジャーになり、黒子光子は企画系マンガや絵本、イラストなどで多少の仕事をなしましたが、会長だった鷹羽あこは1970年に23歳の若さで夭折いたします。
鷹羽あこ「かまくら」は、作者得意の日常系SFで、少女が父親の作ったかまくらの中に入って奥に行くと過去にタイムスリップし若い頃の母親と出会うという話である。
若木書房の営業だった柳瀬昭三氏によれば貸本短編誌「銀河」は時のシリーズ物では一番評判が良かったが、営業成績は一番悪かったとのことである。


若木書房ひまわりブック96、星城朗二「いもうと」です。なかなかでてこない若木書房ひまわりブック二桁番台です。
星城朗二は、貸本漫画以降はアニメ業界に移り田中英二名義で「鉄腕アトム」や「チャージマン研!」や「タイムボカン」の作画監督を務めたりしておりました。自らアニメプロダクションを立ち上げ業務拡大を図っていた折の45歳で病没いたします。
以前も描きましたが、貸本マンガで画面構図が上手い人はこぞってアニメ業界に移行したような気がします。


若木書房ひまわりブック363、角田まき子「あるシンデレラ」。


若木書房ひまわりブック366、角田まき子「劣等生ばんざい!」。


若木書房ひまわりブック380、角田まき子「サトの思い出を…」。


若木書房ひまわりブック388、角田まき子「雪の中の春」。
角田まき子は若木書房内の同人サークル「アトリエ赤と黒」に所属しておりました。
若木書房の単行本や短編誌でそれなりの数の作品を残しましたが、貸本業界が終焉した以降は早瀬マキとペンネームを変え小学館の週刊少女コミックや別冊少女コミック誌で活躍。しかしあまり作品数を残さず消えていってしまいました。
角田まき子の貸本時代の作品を読んでいると、単純な少女漫画ではなくどちらかというと社会派よりの作風が多く、1970年〜72年頃の少女漫画の世界ではあまり描きたいものが描けなかったのではないかと思われます。少コミではなくセブンティーンあたりで描いていればまた違っていたかもしれません。

朝日ソノラマ・サンコミックス、みやわき心太郎「あたたかい朝」。表題作他「あざみ」「窓」「手紙」「鈴」「訪問」を収録。COM末期からトップコミックスあたりに掲載した作品をまとめた短編集です。いまとなってはみやわき心太郎の一番良かった時代の作品集かもしれません。
今週はこんなところで。来週はまた同人誌かな。
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