神保町裏通り日記  
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2011年
6

 

6月25日(土)
天気(曇/雨)

 

 暑いです。毎年同じ発言して、芸がないことおびただしいのですが、それでもやっぱり暑いです。

 今週の新着目録です。先週の続きからの「別冊少女コミック」1971年〜1973年にかけてと、コミックス色々。

 まずは「別冊少女コミック」。

 

 1971年前半までは「別冊マーガレット」みたいな金髪少女を配した表紙レイアウトです。1971年中盤から1973年中盤まで表紙は住石るりえが担当。

 1971年〜73年ころは萩尾望都が注目をあびる頃。

 

 左上1971年11月号掲載、「11月のギムナジウム」。右上1972年1月号掲載、「あそび玉」。SF短編の傑作です。下は1972年3月号掲載、「すきとおった銀の髪」。のちの著者の代表作となる「ポーの一族」シリーズ第1話がこの作品になります。

 

 丁度このころ、大島弓子もマーガレットから離れ別冊少女コミックを舞台に注目をあびるようになる。左は1972年3月号掲載、「3月になれば」。右は1972年5月号掲載、「鳥のように」。

 今週のちょっと気になった作品コーナー(ちょっと久しぶり)。

 1971年6月号掲載、山岸良子「フェニモアのあした」。一瞬山岸凉子かと思ったのですが、この当時の山岸凉子の絵柄と合致しません。名前がにている別人のようです。

 ついでにもう一つ。

 別冊少女コミック1972年4月号掲載、聖悠紀「地球はごきげん!」です。これの何が問題かというと、聖悠紀オフィシャルサイト「電脳かば」の作品一覧(こちら)では、この「地球はごきげん!」の初出は1973年4月号になっています。また同サイトの情報では(またウィキペディアなどの情報でも)、著者の商業デビュー作は別冊少女コミック1972年5月号掲載、「うちの兄貴」となっております。今回当該の別冊少女コミック1972年5月号も入荷しておりますが、どこにも「うちの兄貴」は掲載されておりません。それではいったい「うちの兄貴」という作品はいつどこの雑誌に掲載されたのでしょうか(ひょっとしたら増刊号?)、そして本当の商業デビュー作は「地球はごきげん!」とどちらなのでしょうか。今のところ謎ですね。

 単行本は今回ほんとうに色々。あまり大ネタはありませんが、三岸せいこと内田善美が久しぶりに入荷。

 

 三岸せいこの作風は、カバー絵だけ見るとしっとりと落ち着いた感じに見えるけど、実際はラプソディー(狂詩曲)という形容が似合う内容です。個人的には好きだった。

 

 内田善美は「草迷宮・草空間」と「空の色ににている」。なんども同じことを書いているけど「草迷宮・草空間」が内田善美の中でも一番好きでした。

 三岸せいこにしても内田善美にしても、新しい作品が出るなら出たで読んでみたいものです。

 来週は「週刊少女コミック」1970年代からと、単行本は水野英子メインが予定です。

 ちょっと遅れていた巴里夫復刻シリーズは「りんごのなみだ」と「5年ひばり組 4巻」が出ます。7月2日情報アップいたします。それでは又来週〜(^^)/~~~

 

 

6月18日(土)
天気(雨)

 

 梅雨です。本格的に梅雨です。

 今週の新着目録です。

 まずは週刊になる前の「少女コミック」10冊です。少女コミックは1968年5月号が創刊号で1969年8月号までが月1刊行でした。

 

 1969年8月22日号から月2回刊行になります。このころの目玉は、細川知栄子「愛の泉」でした。今回は1969年9月12日号(No.2)ですが、3段折り込みの扉ページが美しいですね。学年誌で活躍していた高橋真琴も小学館つながりでカラーイラストがほぼ毎回掲載されておりました。

 細川知栄子「愛の泉」は当初「少女コミック」誌で連載されますが、他の雑誌でいろいろ忙しかったのか、毎号は掲載されていませんでした。1969年11月28日号(No.7)で第2部が完となった以降は、週刊少女コミックに移って第3部がスタートします。週刊に移って以降はカラーページがないので、このころの「愛の泉」カラーページ付きは結構貴重です。

 

 「少女コミック」誌の最終号は、1970年3月27日号(No.6)となります。連載もこの後の「週刊少女コミック」に引き継がれます。引き継がれた連載は、灘しげみ「勝利にアタック!」、百田てるよ「プレイ!テニス」、山田路子「ブラボー!フラワーメイト」の3作品でした。

 お次は単行本。今週は色々とバラバラです。

 

 左は小室しげ子「明日への道しるべ」ひばり書房。初出がちょっとよく分からない短篇集ですが、絵柄からして初期作品が多めです。右は大山和栄「ほおずきの村へ」秋田書店。初出は基本的に「プリンセス」からの短篇集。巻末に1作品だけ1973年ころの初期作品が載っています。

 

 ”井出ちかえ”だったり”井出知香恵”だったり”井出智香恵”だったり、”ゆうきみちる”だったり”ゆうき通留”だったり”ゆうき道留”だったりと微妙にペンネームが変わるゆうき道留「虹色のアレキサンダー」若木書房です。これも短篇集ですが、初出はちょっと不明でした。右は曽祢まさこ「サマーガールよもう一度」松文館です。志摩ようこのお姉さんで、いまでもホラー漫画系で現役活動中です。この短編集は、旺文社『中二時代』に掲載した作品をまとめたものです。ちなみにこのコミックスは別冊エースファイブコミックス少女版の通巻1番となります。

 来週は「別冊少女コミック」の1971年から73年にかけて10数冊アップ予定です。単行本も少々アップするつもりです。

 それではまた来週(^^)/~~~

 

 

6月11日(土)
天気(雨のち曇)

 

 ようやく梅雨らしい天気です。なんだか今年は梅雨明け早そうでうね。世界天気にお天気安定しなくて心配な感じの年ですね。

 今週の新着目録です。秋田書店「ひとみ」が10冊と講談社フレンド、なかよし系コミックス少々です。

 

 秋田書店「ひとみ」は1979年〜1980年まで10冊。ちょうど細川知栄子「伯爵令嬢」が開始された時期です。いまだに細川知栄子作品は根強い人気があります。表紙は創刊号から忠津陽子が担当していましたが、79年の中盤ころから持ち回りに変わったみたいです。

 今回1点だけりぼんマスコットコミックスあり。のがみけいの一番人気「風よ雲」全2巻です。何故かこの作品だけは羽が生えたように売れていく(^^;。今回ちょっとカバーコンディション良くありません。

 

 水上澄子「鯉の絵はどうかくの?」、「樫の木物語」も久しぶりの入荷です。

 

 個人的に好きな、布浦翼「夜明けのミルキーウエイ」と銀雪子「My Robin」も入荷しました。

 古い少女コミック(週刊と別冊に分離する前)と別冊少女コミック週刊少女コミック(1973年ころまで)が入荷しましたので、来異臭から随時アップしたいと思います。あとは少々古目のコミックス。貸本もちょっと入荷しているのですが、ここらへンの処理はもう少し時間がかかりそうです。

 それではまた来週〜(^_^)/~~~

 

 

6月4日(土)
天気(晴)

 

 ちょうどいい感じの天気です。こんな天気がしばらく続かないかしら(^^;。

 今週の新着目録です。残りボニータようやく処理できました。その他は小島剛夕貸本マンガと「怪談」「オール怪談」辺りの貸本短編誌。ただし貸本はカバー欠が多いです。

 

 ボニータは1984年〜86年の約3年分くらい。83年から84年の1年間くらい大山和栄が表紙を飾っています。でも表紙だけでマンガの方は1作品も描いていません。まあプリンセスからの流れでの仕事なんでしょうね。ボニータの作品傾向自体は大山和栄とはあまりマッチしているようには見えませんし。
 1980年代から90年代にかけて、相当な数の漫画雑誌が発刊されましたが、それに合わせてマンガ家も膨大な数になりました。今は雑誌の数自体は減少傾向ですが、同人誌とかの舞台も増えているので、マンガ家の数自体は増えているような気もします。統計データなんて無いからはっきりしませんけど。

 

 こちらは1984年1月25日発行ボニータ新春増刊号「Let'sボニータ」です。増刊号なので通巻がはっきりわかりませんが、これが第1号に相当すると思われます。何号まで刊行されたかははっきりわかりませんが、10号近辺までは目撃した記憶があります。ちなみにこちらの「Let'sボニータ」はA5判型で全部で1004ページあります。厚さは6cmをちょっと超えます(右側画像が背表紙)。今でこそ1000ページを越える漫画雑誌は珍しくありませんが、史上初めて1000ページを超えたマンガ雑誌ってなんだったんでしょう? この「Let'sボニータ」は1984年の1月刊ですから、時期的には結構早めだとは思いますが。

 貸本の方は、小島剛夕とかが主体。

 

 

 あまり特別なところはありません。普通にひばり書房の売れ筋だった頃の作品が主体。この4冊以外はカバ欠です。

 あとはひばり書房の「オール怪談」とつばめ出版の「怪談」が少々。

 

 こちらもこの2冊以外はカバ欠です。

 来週は秋田書店の「ひとみ」と講談社系の新書コミックスの予定です。まあいつものように予定なんですけど(^^;;;

 それから巴里夫復刻シリーズ「りんごのなみだ」ですが、ちょっと印刷が遅れているようです。刊行されましたら、またご案内いたします。

 

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮