神保町裏通り日記  
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9月27日(土)
天気(晴)
売上(^_^)
 

 ようやく季節に見合った天気になりました。そろそろ読書の秋なんですが、お客さんちょっと寂しいです(T_T)/

 先週の入荷物の『宇宙の傑作機』シリーズは大好評であっという間にNo5を除き売り切れてしまいました。No.5も在庫切れしていたのですが、本日ようやく入荷しました。通販のお客様お待たせして申し訳ありませんでした。
 今週の新着目録ですが、宇宙物に珍しい物が入荷しました。


 1985年旧ソ連で出版されたガガーリン関係の本です。ほとんどロシア語は、ちんぷんかんぷんなのですが、表題は『ガガーリン講座』と書かれているようです(正確度50%位です(^^;)。ガガーリンを主軸に書かれてはいますが、全般的には宇宙開発の歴史を語っているようです(正確度30%か(^^;)

 女性向きには、ここのところなかなか全巻揃わなかった、清原なつの『花図鑑』全5巻が入荷しました。

 連作短編で各話のサブタイトルには、必ず花の名前が冠せられています。実のところ話の内容は、花は花でも生殖器としての花(^^;です。一貫して思春期の性をテーマに据えてきた清原なつのらしい作品集ではあります。

 イラスト集には、太刀掛秀子『青い鳥』が入荷。実に太刀掛秀子の絵柄の本領が発揮された絵本です。

 もう一つ絵本では、カールおじさんで有名な、ひこねのりお画「さくら貝の約束」が入荷。一世を風靡したペンギンさんです。

 この先少々アダルトコミックスを強化しようと考えております。そんな中から珍しい物を・・・。最近アダルトコミックス業界で絶好調なTHE SEIJIの初期ペンネーム”青空みどり”の2冊です。

 

 絵柄も今とは全然違いますしエロ度も低いですが、一貫してけなげな女の子を描き続けるTHE SEIJIの原点をうかがい知ることが出来ます。『人魚の女の子』の方は著者サイン付です。

 

9月20日(土)
天気(雨)
売上(T_T)(T_T)
 

 一言、台風のバカッ!(T_T)

 先週目録にぎりぎり間に合わなかった入荷物に風虎通信発行『宇宙の傑作機シリーズ』があります。これは古書ではなく委託本でしかも同人誌です。同人誌とは言うものの内容はかなりの高水準で宇宙マニア御用達レベルの出来映えです。残念ながらNo4が絶版でNo1.5、2.5、3も残部少です。

 

 

 では、今週の新着目録です。今週は”水記利古”を取り上げてみました。変わったペンネームですが、”みずき りこ”と読みます。70年代末期から90年代中盤まで、雑誌では主に東京三世社のクレッセントなどで活躍してました。単行本デビューは青心社の『ぎやまん亭奇談』。ファンタジーからコメディまでこなしたが、一番得意だと思われたのは悲劇的なミステリーロマンである。

  

長崎ミステリー案内三部作

 単行本は
・『ぎやまん亭奇談』 青心社 【ミステリーロマン。ちょっと謎解き要素有り】
・『交雑酔夢少年』 青心社 【かなり悲劇的なミステリーロマン】
・『チャイナマーブル』 青心社 【ミステリーロマン】
・『逆魔法』 東京三世社 【悲劇的ミステリーロマン】
・『キャラメル・パパ』 東京三世社 【超天才作家の父親と娘のドタバタコメディ】
他に月嶋みずき名義で
・『時計じかけがいっぱい』 東京三世社 【女装の怪盗物の連作短編】
・『DONZOKOへ来来』 東京三世社 【ちょっと説明が難しい。短編集】
がある。

 個人的には『チャイナマーブル』がお気に入りでした。しかし作品的な出来に関して言えば、おそらく『逆魔法』が一番だと思います。双子の姉妹とその母親が絡む三部構成からなる、極めつけの悲劇的ミステリーロマンです。とくに最後のどんでん返しには感心しました。
 水記利古は、決して絵もストーリーもすごく上手いと言える漫画家ではありませんでした(^^;。しかしその独特の癖のある作風は、心地よい新鮮さを感じさせるものでした。

 

9月13日(土)
天気(晴)
売上(^_^)
 

毎週日記になると新着目録の中から古い漫画を紹介するのが常になっているのですが、ちょっと飽きてしまったので(^^;、たまには別なものを紹介します。
  今週、草紙類がまとめて30冊ほど入荷しました。あまり程度状態は良くないので500円から5千円くらいの値段を付けて店頭に出しております。目録販売には向かないので店頭売りだけですが、せっかくなのでちょっと紹介します。
・緑亭川柳、歌川豊国「遊仙沓春雨草紙 」
・緑亭川柳、歌川芳虎「祥瑞白菊物語」
・笠亭仙果、歌川豊国「塩屋文正」
・楽亭西馬、歌川国輝「花簑笠雅物語」
・為永春水、歌川国貞「椿説鬼魅談語」
・英壽、歌川国輝「容色仙台萩」
・万亭應賀、歌川豊国「釈迦八相倭文庫」
・為永春水、歌川国貞「北雪美談時代鏡」
・為永春水、歌川国貞「花曇朧夜草紙」
・柳亭種彦、歌川国貞「偐紫田舎源氏」
・柳亭種員、歌川国輝「仮名反古一休草紙」
・曲亭馬琴、歌川国安「新編金瓶梅」
などがあります。

 だいたい文政文化以降に出版された、今で言う大衆小説的なもので中には何千部と刷られたものもあります。当時としてはかなりの大量生産物ですが、表紙などは錦絵と同じ手法が取られそれなりに見応えがあるものも含まれます。

 次の写真は「花曇朧夜草紙」の表紙絵です。(画は国貞と書かれていますが、内部の画が国貞で表紙絵は豊国です)

 かなりの多色刷りで、ぼかしなどの技法も使われており、値段の張る赤顔料も豊富に使われ、制作者の意気込みが伝わります。

 内部の刷りも単なる墨絵ではなく藍との二色刷。しかも艶刷り、空刷りなどのこだわりの技法も見られます。

 上の写真の黒いベタの部分に艶刷りの技法が用いられています。ニカワを多く含んだ墨で刷り、乾いた後で表面を擦ることにより艶を出させる技法です。下の写真はちょっと角度を変えて光が反射するように写しています。

このようにちょっと角度を変えると模様が浮かび出すという表現に江戸の職人の粋というものを感じさせます。

 こちらの写真はちょっと見え難いのですが、女性の着物の白い部分にぼんやりと放射状の模様が入っているのが分かるかと思います。これが空刷りと呼ばれる技法です。顔料をのせずに刷りを行い、紙に凹凸をつけることにより模様をつけたり、またその凸凹で手触りを楽しませたりしたものです。

 刷りのレベルも保存状態も本当に多種多様です。出来ましたらご来店の上、直接手に取って頂き楽しんで頂ければと思います。

 

9月6日(土)
天気(晴)
売上(^_^)
 

 みんな夏休み疲れか、街は静かです(T_T)。せめて肉肉野菜肉野菜くらいの周期で売れてくれないでしょうか(意味不明)。

 今週の新着目録です。貸本は怪奇とSFと怪獣3点盛り合わせです。

 

 まずは島根けんじの怪奇ロマンシリーズの2冊です。島根けんじの描く女の子はちょっと可愛くてお気に入りです。

 

 お次は、沼田清のSF2作品。

 

  宇宙人とのファーストコンタクトとマッドサイエンティストの宇宙征服を描いた『大反乱』、同じく反粒子の世界からきた宇宙人とのファーストコンタクトもの『0(ゼロ)』。科学考証をを考えれば幾らでも突っ込み所はあるのですが(^^;当時のSF漫画としてはかなりの水準に達していました。「犬勘助シリーズ」にも共通しますが、何より絵のセンスが冴えております。

 次に怪獣ものです。

 左馬一平『世紀の遊星大怪獣 ネズラ』。ちなみに遊星というのは惑星と同義語であって、ふらふら遊び歩いてる星という意味ではありません。ネズラというのもネズミの怪獣みたいなネーミングですが、ネズミではなくて龍です。

 最後に新刊委託本を紹介致します。

 東京・中野界隈では有名?かもしれないグッピー書林発行の飯島市朗傑作集1『トルコ星座の男たち』です。
 70年代エロ劇画の熱い時代を走り抜け、そして描き続けた熱き男の作品を熱き男たちが集い、熱き探索と熱き編集を重ね、410ページという驚異的な厚さとなったこの本。熱くて厚いこの本は、いまだ熱き心を持ち続ける読者の為の一冊だ。さあ!みんな買ってくれ。みんなで買えば、傑作集2もきっと発行されるぞ(^_^)

 定価2000円。送料340円。当店でも通販&店頭販売しております。

 今週は最後にアジって終わります(^^;。

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮