神保町裏通り日記  
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10月25日(土)
天気(曇)
売上(寒)

 

 そろそろ肌寒い季節になって参りました。来週は、いよいよ神田古本まつりです。期間中は店頭でのお買いあげに限り全品10%引のセールを行います。この機会に皆様是非神田に足をお運びくださいm(_ _)m

 先日韓国から通信販売の依頼がありました。送金方法や発送方法で大分頭を悩ませたのですが、とりあえず何とかなりました。お買いあげ頂いたのは昭和30年代の少女漫画の雑誌付録でした。韓国では昔から日本の漫画が流通していたのは知ってはいるのですが、この時代の物まで蒐集される方が出てくるとは思いもよりませんでした。韓国の漫画文化の成熟度を改めて知らされました。
 そんなわけで今週の新着目録は、逆に韓国の漫画をメインに取り上げてみました。

 まずは、韓国漫画の初の日本語訳としては初めて(私が知る限り)の李賢世(イヒュンセ)『弓』全3巻です。

 日帝時代(日本が朝鮮を支配していた時代:1910年から45年)の朝鮮を舞台とし、日本の圧政に対抗する朝鮮民衆の姿を描いた大作です。若い人にも是非読んでもらいたい作品です。

 同じ作者で『純姫(スニ)』。

 1980年代全斗煥(チョンドファン)から盧泰愚(ノテウ)へと政権が移る激動の時代に執筆された作品。当時の韓国における女性の地位や生き様を伺うことが出来る作品です。

 他に一時期韓国の漫画家を熱心に取り上げていたモーニング誌(講談社)から2作品。ひとつは黄美奈(ファンミナ)『ユニ』全2巻。

 現代韓国の人びとの世相を知ることが出来ます。作品としても秀逸で楽しめます。もうひとつ呉世浩(オーセーホ)『水の国のアリラン』。

 昔の韓国(時代はちょっと不明)の習俗を知ることが出来る作品です。とくに第1部の『心』は、山人参(野生の朝鮮人参)の採集者を主人公とした、非常に興味深い作品です。ちなみにカバーに1巻と記載されていますが、続刊なしの1巻のみです。

 他、少女漫画系では以前紹介したもとやま礼子、付録漫画では久木田律子など、レア物では福山慶子(ふくやまけいこ)『ふくやまジックブック』などがあります。重版ですが、程度状態は良好です。

 彷書月刊11月号(定価600円)が発売されました。今月号は、第3回古本小説大賞の発表と誌上珍品大オークションが特集です。くだん書房でもオークションに出品しました。古本小説大賞の大賞受賞者と奨励賞受賞者は、どちらも読点のお客さんでした(^^;。作品もなかなか面白いので是非ご一読を。

 当店でも通販取り扱いますが、定期購読されたい方はまでどうぞ。

 今週は貸本がありませんでした。ひとつ大物が入荷しているのですが、もう少し下調べをしてから、近日中に紹介致します。

10月18日(土)
天気(雨)
売上(T_T)
 

 客足はちょっと伸び出したけど売上はまだまだ(^^;。でもおかげさまで通販は調子がよいです。

 10月28日(水)〜11月3日の月曜日まで神田古本まつりが行われます。恒例の神保町交差点付近での青空市を始めチャリティーなど各種イベントも開催されます。是非この機会に神保町にも足を運んでください。

  

 左は神田古本まつりに併せて発行される神田地区古書店の合同目録です。定価は300円ですが、通販のお客様や店頭でお買いあげのお客様には無料でおわけ致します。ご注文の際にその旨申しつけてください。

 右側は神田地区の古書店マップの最新版です。神田地区のほとんどの古書店が記載された、使いやすい地図帳です。こちらは無料です。通販の際やお店にお立ち寄りの際に遠慮無くお申し付けください。

 神田古本まつりの期間中、当店もなにかセールをやろうと思います。内容未定ですが、来週までには何か考えます(^^;

 今週の新着目録です。適当にレア物もあるのですが、取り立てというものがありません。てなわけで今週は久木田律子を取り上げてみます。

 デビュー作は1971年8月号りぼん掲載「愛すべきわれらがトン子さん」。りぼん誌上で約10年ほど活躍された。ほとんどの作品が家族愛、姉弟愛を中心としたヒューマンタッチな感動物である。単行本はりぼんマスコットコミックスで7冊、マーガレットレインボーコミックスで1冊ある。他にりぼんの付録として2冊あるのみである。

 ここのところお店でよく売れる少女漫画は、こういった感動物とかファンタジー物が多いです(うちの品揃えが偏っているのもありますが(^^;)。最近の漫画に即物的な物が多い反動なのでしょうか。


10月11日(土)
天気(曇)
売上:う〜む
 

 読書の秋だというのにお客さんの数が舞い散る木の葉のように寂しいです(T_T)

 今週の新着目録です。適当に珍しいのがちらちらです。レア度から言えば飛鳥幸子『そよ風のマリー』ですが、店主的お勧めから言えば、松本るい『バラが咲いた!』もとやま礼子『やったぜ!墓場グループ』の2冊でしょうか。

 

 もとやま礼子と松本るいは活躍時期も絵柄もほぼ似たようなところがあるので、同一人物だとか姉妹だとか同居している友人同士とか色々と説があるのですが、いまいちどれが正解なのかはよく分かりません。どちらもほんわかした絵柄とコメディ的ストーリーで、最近見直されている作家さんです。

 次もそれほどレアでは無いですし、マイナーですが個人的にお気に入りな長谷川哲也『アトミックカフェ』です。

 長谷川哲也は『アラビアンナイト』などの歴史的シリアス物も描きますが、この手のSF系ギャグも得意としております。SF好きでギャグ好きでしたら、お薦めの一冊です。

 最近店頭で本草学関係(本草学というのは広義には漢方につながる博物学を指しますが、江戸末期にはほとんど植物学的なものが主体となります)の和本が比較的売れます。そんなわけで1冊ほどネット上で紹介します。

 『草木育種(そうもくそだてぐさ)』文化15年(1818年)に出されたものです。上下巻の揃いものです。上巻は、農業全般の接木の仕方、肥料の作り方、害虫の種類や駆除の仕方、特殊な栽培方法が記されています。

 

 この図は温室の図。西洋的なガラスの温室は明治以降に作られたが、この時代にもすでに日本的な温室が作られていた。木枠に表面は障子紙が張られていて、地面に埋めた火鉢で内部を暖める仕組みになっている。
 下巻には穀物、野菜、果物、 薬草、花卉など185種の手入れ方法が記載されている。これもつらつらと読んでいると意外と面白い。この時代にすでにマルメロが栽培されていたのはちょっと驚いた。”葉も花も林檎に似たり。実はカリンに似て、丸くて毛がある”と書かれている。焼いて食べろとか、薄く切って砂糖漬けにしろとか、砂糖煮にしろとかも書かれている。意外と実用的な書であります(^_^)

 

10月4日(土)
天気(晴)
売上(^_^)
 

 10月4日は古書の日だそうです。季節はめっきり秋らしくなってきましたが、お客さんの入りはもう一つです(^^;

 先週再入荷した『宇宙の傑作機』またもや品切れになりました。再入荷までちょっとお待ちください。

 今週の新着目録です。ここのところ絶好調の宇宙物に久しぶりの入荷物です。

 宇宙マニア垂涎の的?(^^; アメリカ大使館情報交換局出版部発行の『アメリカの人工衛星』です。第1号のエクスプローラーからフレンドシップ7まで63個の人工衛星を豊富な写真図版で説明している。奥付はないがおそらく1962年の発行で前年に日本のソ連大使館から発行された小冊子『人類最初の宇宙飛行 ソ連人間宇宙船の成功』に対抗して発行されたのかも知れない。

 写真の質も量も紙質もソ連の物よりは、はるかによいです(^_^)

 

子供向け宇宙科学図鑑では最高峰だった岩崎書店の”少年少女宇宙開発の科学シリーズ”のNo11『太陽系旅行』です。少年少女と銘打たれてはおりますが、小学校高学年から中学生向きの結構高度な内容のシリーズでした。全12巻ですが、なかなか出てこない図鑑シリーズです。

 雑誌『モデルアート』です。昭和53年当時日本で開催された宇宙科学博覧会に併せて”大プラモ宇宙博”という特集が組まれた。店主も実は組み立てた経験があるのだが、アポロ11号以降ロケット物のプラモは意外と存在していたのだ。

 

 左写真、右下、アメリカのロケット群のキットはかなり珍しいと思う。右写真のボストートのキットも実は珍しい東ドイツ製。

 講談社”世界の博物館シリーズ”第2巻『ワシントン航空宇宙博物館』。世界最大規模の航空宇宙関係の収蔵物を誇る”ワシントン航空宇宙博物館』の図鑑です。A4サイズの大判で箱入りです。付属の月報にはやはり当時開催された宇宙科学博覧会の解説が載っている。ちなみにこの博物館はスミソニアン航空宇宙博物館とも呼ばれているが、本当はどっちが正解なんでしょう? ワシントンD.C.にあるスミソニアン協会付属の航空宇宙博物館(National Air and Space Museum)ということでどっちでもいいんでしょうか?

雑誌『子供の科学』発行者とも宇宙旅行協会会長としても有名だった原田三夫の昭和36年の著作。文庫サイズで表紙は偉く地味だけど内容はぎっしり詰まっているし、科学系挿絵画家で有名な古屋勉の挿絵も豊富でお勧めの一冊です。

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮