政府発表では景気回復ですが、全然全く実感が伴わない今日この頃です。
今週の新着目録は、曽根富美子と先週間に合わなかった、「なかよし」です。
曽根富美子には2年越しの探求でようやく見つけた『エクスプレッション(表現)』が今週の目玉です。
著者の青年誌(初期のモーニングオープン増刊)で初めての作品です。”家族療法”と呼ばれる心理療法を主題に5つの短編が収められています。出版数が本当に少なかったようで、なかなか見つからないレア本です。
こちらは著者の代表作『親なるもの 断崖』です。室蘭の幕西遊郭を舞台に凄惨で哀しいそして力強い女の生き方を描いた作品です。以前はゾッキ本(出版社が処分する新古品)がよく出回っていたのですが、急激なブームにより今では、すっかりレア本になってしまいました。
ちなみにこちらが初期の少女マンガ時代の作品です。曽根富美子はレディスに移った段階で絵柄が激変しました。
次は、講談社『なかよし』です。主に1975年から76年の物です。この頃のなかよしと言えば、やはりいがらしゆみこ『キャンディ・キャンディ』です。
連載第1回が1975年4月号です。連載直後から人気は高く、カラー扉や表紙などの使用率も高いです。翌76年10月にはアニメもスタートし、人気に拍車がかかります。
もうひとつこの頃のなかよしで見逃せないのは水上澄子です。デビューが75年11月号の『両手いっぱいの花』です。
水上澄子は翌76年あたりから精力的になかよしや増刊で、読み切りを発表します。しかしこの頃の作品はあまり単行本に収録されておらず、要注目です。
なかよし1976年2月号水上澄子『沈丁花の咲く家』
なかよし1976年3月号水上澄子『キンポウゲの咲くころ』
なかよし1976年6月号水上澄子『花どろぼう』
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