神保町裏通り日記 
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2011年
10

 

10月29日(土)
天気(晴)

 

 

 神田古本まつり絶賛開催中です。とりあえず天気にも恵まれ、前半は多数のお客様にご来場いただいております。この場を借りて御礼申し上げます。

 えーとここで御免なさい。こんなに忙しくなるとは予想外で、今週の新着目録に多大な影響を受けてしまいました。牧美也子の付録漫画が7点と云う僅かな点数しか入力できませんでしたm(_ _)m

 その代わりにちょっと良い物があります。

 りぼん1968年9月大増刊号付録で牧美也子「りぼんのワルツ」後編です。この付録は「りぼんのワルツ」が終了した4年くらいあとに出た、総集編版の付録です。前後編に分かれておりました。A5サイズの判型で220ページくらいあります。単行本1巻分よりちょっと多めのボリュームです。「りぼんのワルツ」は今となってはなかなか通して読むことができないので、この総集編版の付録はかなり貴重で、なかなか市場にもでてこない代物です。

 こちらは「マキちゃんファン」というノートです。「マキの口笛」の時代のものですがどこにも刊行年が記載されていないので年代不明です。一応6月号付録ということだけはわかります。ノートといってもぬりえとか、花占いとか、ファッション記事とかマキちゃんのイラストが満載になっております。

 

 他にも「道ふたつ」とか「虹にねがいを」とかとか。

 今回少なくて本当に申し訳ありません。来週も催事が続くので、来週も目録ちょっと寂しいかも知れません。一応予定ではわたなべまさこの付録をやる予定です。

 古本まつりの方も11月3日まで開催しておりますので、お近くの方は是非足を運んでいただければと存じます〜。

 

 

 

10月22日(土)
天気(雨)

 

 

 いよいよ神田古本まつりも来週27日からとなります。週間天気予報なんかを見るととりあえず会期前半は天気に恵まれそうです。よかったよかった。皆様のご来場をお待ちしております。

 今週の新着目録です。点数は少ないのですが、古本まつり連動ということでちょっと良い物出しました。ナカムラマンガシリーズが2冊、単行本色々、あとは久しぶりのアダルト少々です。

 店主が愛してやまない(ただし初期から中期のみ)オオトモヨシヤスのナカムラマンガ「午前0時」です。少年?青年?探偵ジロちゃんのシリーズです。

 オオトモヨシヤスの魅力といえば、独特な構図と、ヒロインの可愛さでしょうか。オオトモヨシヤスのヒロインといえば、判で押したように”マリちゃん”という名前になるのですが、今回はめずらしく”マチコ”という名前です。

 店主は開店当初にオオトモヨシヤスの「黒い太陽」という作品に出会って、それ以来ファンになりました。当時はオオトモヨシヤスについて殆ど詳しいことがわからなかったのですが、さすがに何年もかけて調べていると色々なことがわかります。本名は大友康臣。1970年代になって奥さんのキヨノサチコと共同名義で絵本「ノンタン」シリーズを発表します。ところが90年代になって離婚した奥さんと「ノンタン」の著作権を巡って裁判沙汰を起きます。結局オオトモヨシヤスは、裁判中に亡くなります(死因は不明)。2008年にはその奥さんも脳腫瘍で亡くなります。あんまり後味いい話ではなかったので今まで書きませんでしたが。

 ナカムラマンガシリーズもう1冊は関すすむ「逃亡五分前」。

 

 

 レーベルとしては珍しい、別冊エースファイブコミックス<少女版>です。発行元は松文館。松文館といえばちょっとエッチな漫画系が多いのですが、このシリーズは基本的によその雑誌で掲載されたものを単行本化しているものです。左のあきもと渚「土曜日にはカーテンしめて」は小学館プチコミックあたりで掲載していた短編をまとめたものです。右のつるま里子「バリバリヒーロー」は、小学館ちゃおあたりで掲載していた短編をまとめたものです。

 

 左はサンコミックスで丘けい子「挑戦」。結構珍しい本だと思いますが、コンディションはちょっと悪目。右はひばりヒットコミックスで小林裕美「カリブの白い花」。詳細は不明ですが多分書き下ろしの作品だと思います。

 あとは三岸せいことかも入荷。アダルト関係も入荷しておりますが、そちらは解説なしということで。

 来週は古本まつり期間に突入しておりますので、あまり量は出せないかと思いますが、でもちょっと頑張ります。

 

 

10月15日(土)
天気(雨)

 

 神田古本まつりの詳細が決定しました。当店は神保町2丁目の靖国通り沿い真ん中辺りの歩道でワゴン出します。言葉だとなかなか難しいのですが、神保町交差点岩波ホールから専修大交差点に向かって2分ほどです。神保町に詳しい人なら、ブックハウス神保町さん、もしくは@ワンダーさんの辺りといえばわかりやすいかも知れません。
 ヤフーのマップ情報だとここらへんです
 催事の期間は10月27日(木)〜11月3日(木)の8日間
 時間は午前10時から午後7時まで
 雨天の場合は中止することもあります。
 催事用の商品は当店らしくほぼ少女マンガの単行本。70年から80年代の新書が中心となります。お祭り価格と大特価販売を予定しておりますので、ぜひご来場を…

 今週の新着目録です。雑誌は少女サンデー3冊と少女ブックが3冊、あまり古くないけどmimiが2冊、更にリリカ全巻セット。あとは付録が一点と巴里夫の復刻シリーズが1冊です。

 

 まずは少女サンデーが3冊。1962年1月〜3月号です。サイズがA5判型の頃です。少女サンデーについては以前お薦めで書いた文章がありますのでそちらをご参照ください。

 

 A5判型になってからの少女サンデーの主筆は高橋真琴、牧かずま、芳谷圭児で固定でした。高橋真琴は読切の絵物語、牧かずまは読切漫画、芳谷圭児は連載漫画という担当。最終となる1962年4月号というのを未だ未見なんですが、なしくずしに終巻したのか、きちんと最終号としての体裁を整えたのかは不明です。いずれにしろなかなかでてこない雑誌です。

 

 少女ブック1961年4月、6月、8月号が3冊。表紙がまだ松島トモ子の時代です。

 バレエ関係の記事は人気だったようで、この時期毎号森下洋子のピンナップが付いておりました。

 

 このころ少女ブックでの一番人気はわたなべまさこ。左の画像は1961年4月号掲載の「フリージア」という読み切り作品です。当時「白馬の少女」という連載作品を抱えていたわたなべまさこですが、同時に読み切り作品も掲載するというのはやはり人気の現れだと思います。

 

 他にはおざわさとる(小澤さとる)「順子の窓から」や牧かずま「泣かないで!」等の連載作品がありました。

 付録は一点だけ山岸凉子「アラベスクの世界」です。りぼん1972年12月号の付録です。内容的には「アラベスク」のダイジェスト紹介とバレエ関係の作品や用語の紹介などからなっております。

 

 最後は巴里夫復刻シリーズ。今回で第11弾。「5年ひばり組 第7巻」です。「5年ひばり組」もあと残り1巻で完結となります。

 今週はちょっと点数少なくて住まいません。来週も催事の準備があるのでまたちょっと点数少ないかも知れません。

 それではまた〜(^^)/~~~

 

 

 

10月8日(土)
天気(晴)

 

 

 本日もいい天気です。このぐらいの天気が古本まつりの期間中も続けばいいなと思うのですが、天気のことばかりは天に祈るしか無い状況です。今日も粛々と催事用の本のパッキングを行なっておりました。とりあえず目指せ1000冊です。

 今週の新着目録です。街頭用の肉筆紙芝居が47話分です。久しぶりの紙芝居大量入荷です。

 47話の内訳ですが、「快童小太郎」が3話分、「腰の曲がったお母さん」が12話分、「ヒロちゃん」23話分、「マー君」8話分、「キンちゃん」1話分です。

 今回店主のお気に入りは「腰の曲がったお母さん」です。全16話の作品ですが前半の1〜4話が欠けております。どんな内容かをちょっとかいつまんでご説明いたします。

 こちらが主人公のお婆ちゃん。1〜4話が欠落しているのではっきりした事情が分からないのですが、何らかの事情で住む家をなくし息子、娘に頼るため都会出てくることになりました。

 まずは次男の二郎の家に行きます。息子二郎は快く迎えてくれるのですが、妻の春子は甲斐甲斐しく息子の世話をするお婆さんを快く思いません。そんなこんなで夫婦仲も悪くなりそうになり、心を痛めたお婆さんは置き手紙を残してそっと家を出てしまいました。

 次に頼ったのは娘清子です。ところが娘清子の亭主徳三は酒飲みの上、定職がありません。お婆さんのお金を当てにしようとした亭主徳三と清子は大げんかをはじめます。居たたまれなくなったお婆さんはお金と夫婦仲良くするようにとまた置き手紙を残して家を出ていってしまいました。

 次に頼ったのが長女光枝の家。ところが光枝は居留守を使ってお婆さんを追い返してしまいます。

 最後のたよりの長男眞一郎。ところがなんという事か、訪れた丁度その時、真一郎宅が火事で被災いたします。

 あまりの心労でお婆さんは雪の降る中、行き倒れてしまいます。

 お婆さんの難を救ったのは、警察でした。お婆さんから事情を聞いた署長さんは、お婆さんの息子たちを警察署に呼び集めました。署長さんの説教にうなだれる息子たち。しかしみんな自分の立場を主張するばかりで誰一人お母さんを引き取ろうと言い出すものはいませんでした。

 そんなやり取りに耐えられず、お婆さんはひっそりと警察を出てふたたび雪のふる道をさまようのでした。

 路頭に迷ったお婆さんを救ったのは、上野の浮浪児三ちゃんです。浮浪児たちはお婆さんに僕達のお母さんがわりになってほしいと頼みます。働き者のお婆さんは喜んで、浮浪児たちの弁当を作ったりと身の回りの世話を始めました。やがて浮浪児たちとの共同生活も落ち着いた頃、シベリア抑留からお婆さんの末っ子の三郎が引き上げてくることを新聞を見て知りました。

 内地に戻った三郎は兄弟たちのもとに戻り、お母さんが行方不明になった事を知り大激怒。三郎はお母さんの行方を探します。一方、三ちゃんを含めた浮浪児達も三郎を探そうと頑張ります。果たして三郎とお婆さんは出会うことができるのでしょうか。

 どんな結末になるかは説明しませんが、最後はこんなシーンで終わります。

 お婆さんから後光が差しております(^^)。

 貸元は東京上野にあった新友会。作画は田中次郎です。検閲印の他に珍しい福岡の検閲印が紙で貼られています。福岡の検閲印を見ると昭和31年以前のもののようです。

 紙芝居で田中次郎といえば、戦前の「黄金バット」の制作に携わった蟻友会の田中次郎が思い出されます。よくある名前なので、同姓同名の可能性もありますが、同一人物の可能性も一応あります。貸元の歴史的変遷がわかればもう少し断定もできると思うのですが、やはり紙芝居に関する資料は少なくて、ちゃんとした調査ができないのが残念です。

 このような親孝行をベースにした人情物は、当時としてはあまりにベタな題材ですが、逆にベタ過ぎて現在では成立しにくいものとなっています。そういった観点から今現在見るとすごく新鮮な題材に思えます。

 他には

 江戸時代を舞台に野生児小太郎が活躍する、「快童小太郎」。

 お笑い物の「ヒロちゃん」。こちらは少しクイズ付きがあります。

 クイズは大体1話分に3面ありました。一面に1問から2問というのもだいたい定番です。

 こちらも同じ新友会の「マー君」。これにも時折クイズ付きがみられます。

 全てにクイズが付いていないところを見ると、クイズはある時期限定で流行っていたのかも知れません。ココらへんも関係者に聞いてみないとよく分からないところです。

 最後は児童芸能社の「キンちゃん」です。児童芸能社は東京都台東区上野桜木町にあり、会の代表者は川崎辰雄という方だったようです。

 来週は古本まつりも近いことからちょっと古めの雑誌を出したいと思います。

 古本まつりのワゴンの位置なんかは来週にはお知らせできると思います。

 巴里夫「5年ひばり組 7巻」も来週にはお知らせできると思います。

 よろしくお願いいたします。

 

 

10月1日(土)
天気(晴)

 

 10月になりました。秋本番です。ちょっと旅行にでも行きたい気分の今日この頃です。

 今週の新着目録です。りぼんの付録となかよしの付録と単行本が少々。

 まずはりぼんの付録。

 

 りぼん1973年10月号〜12月号にかけて出た、”心にしみる珠玉作シリーズ”です。A5判型で100ページのシリーズ全部で3冊出ました。すべて文芸作品のコミカライズです。

 

 こちらは1974年1月号〜4月号にかけて出た、”りぼんスペシャルコミック”です。B6判型でこちらも100ページのシリーズでした。全部で4冊出ました。

 お次はなかよしの付録。

 松尾美保子「ガラスのバレーシューズ」1966年7月号付録。古書的にも非常に人気のある連載作品で、表紙の絵柄も良いのですが、残念ながら裏表紙が欠落。

 望月あきら「ジュリエッタ」1966年2月号。望月あきらの絵というのは結構上手いと思うのですが、今見ると地味さをすごく感じます。60年代くらいに絵が完成してしまったことと、やはり男性漫画家というのが影響しているのでしょうか。

 

 左はなかよしではちょっと珍しい竹本みつるの「あしたの太陽」1964年9月号付録。右は1965年1月号のなかよしまんが文庫。マンガは2編収録されており、花村えい子「花ふたつ」と赤松セツ子「雪のふる道」になります。

 単行本の方は、

 

 左は高野まさこ「シュガーベビー」全9巻。今回は全初版ですが、逆にちょっとコンディションが悪いのでお安めの値段設定です。右は八雲みどり「夕焼け通りをしってますか」。この時期のフレンドにしてはちょっと地味な絵柄です。また表紙の絵柄と中の漫画の絵柄はちょっと落差があります。実際の漫画の絵柄はもう少し可愛いかんじです。別フレとBE・LOVE辺りで活躍しており、単行本は4,5冊出ているはずですが、あまり話題にならなかった作家です。個人的には地味ですが好きな作家です。

 

 お次は珍しいところ。左はKC500番台の神奈幸子「妹よ その愛そだてて…」。本来全2巻ですが、今回は残念ながら1巻のみの入荷。右は、わたなべまさこ「ぶらりぶらぶら物語」。それほど珍しいわけでもないのですが、あまり入荷しない単行本でもあります。

 

 こちらは久しぶり入荷。左は千明初美「蕗子の春」。右翠揚社版の矢代まさこ「おはぎのお嫁入り」。

 今週はこんなところで…

 そろそろ神田古本まつりの準備に取り掛からなければ、と考えております。とりあえず店内に平積みされているコミックス類を安めの値段設定にしてワゴン用にしようと考えてます。用意するのは1000冊くらいでしょうか。催事は初めてなんでどのくらいの量を用意すればいいのかいまいち把握できておりません(^^;。そのうち場所とか詳細をご報告致します。

 来週は全く未定です(^^;;;;。

 

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮