先週の日曜日はコミティア99に行って来ました。同時開催のコミティアXが、畳敷きだったり、コタツが置いてあったり、西洋甲冑が着られたり、コイルガンが置いてあったり、おおやちきさんの原画が展示されていたりとか、文化祭みたいで楽しかったです。ちょっとだけ巴里夫さんと会場で合流しました。次回の5月5日はコミティア100回目になるそうです。
今週の新着目録です。雑誌は週刊少女フレンド6冊、週刊マーガレット増刊号1冊、りぼん1冊、りぼんコミック1冊と色々バラバラ。単行本は若木書房のジュニアコミックスとかティーンコミックスとかで7冊。あとは同人誌2冊。
まずは雑誌から。
とりあえず新連載ネタ。左は週刊少女フレンド1965年32号掲載、楳図かずお「ママがこわい!」。お母さんが蛇女という作品です(説明するまでもないことだけど)。右は週刊少女フレンド1966年38号掲載、里中満智子「あした咲く花」。
左はりぼんコミック1969年6月号掲載、五十嵐優美子(いがらしゆみこ)「のらねこ物語」。いがらしゆみこは、前年に「白い鮫のいる島」(りぼん大増刊1968年9月号。五十岸ひとみ名義)でデビューしておりますが、ここらへンの初期の頃から講談社に移るまでのことは情報がなくてさっぱり分かりません。
右は週刊マーガレット増刊号1967年お正月増刊掲載、奥村まり子(奥村真理子)「おかえりはあちら」デビュー作。Wikipediaではデビューが「別冊マーガレット」になってますが、こちらの週刊マーガレット増刊号が正解のようです。
雑誌から最後にもう一つ。上の画像は週刊マーガレット1966年38号に載っていた広告です。赤塚不二夫「レーズンちゃん」という広告マンガです。記載がなくて広告主がよく分からないのですが、おそらくカリフォルニア・レーズン協会ではないかと思われます。カリフォルニア産レーズンの販売促進用の広告という位置づけだったようです。はっきりとわかりませんが2〜3年くらいは各種雑誌でこのような広告を打っていたようです。
お次は単行本。貸本上りが多い若木ジュニアコミックス、ティーンコミックスですが、今回は全て非貸本。コンディションも結構よい方です。
まずは若木ジュニアコミックス。左は矢代まさ子「サチのポプラレター。ジュニアコミックスとしてはそれほどレアではありませんが、作者の貸本以外の単行本ではこれが一番レアです。右は飛鳥幸子「怪盗こうもり男爵」。ジュニアコミックス、ティーンコミックスデラックス、新書館ペーパームーンコミックスと3種類刊行された「怪盗こうもり男爵」ですが、これが一番古いものです。
青池保子が3冊。上が「どろぼう家族」、下が「おーい青春」正続セットです。どろぼう家族の背表紙赤が少々退色しておりますが、それでもかなり良いコンディションです。
左は神奈幸子「14さい ばんざい」。右は大和和紀「Uターン禁止」。神奈幸子の方はちょっとカバーコンディション悪しです。もちろん両方共非貸本ですが。
単行本の最後はティーンコミックスデラックス。巴里夫「山ねこ教室」です。これに収録されている「幸福へのユーターン」という交通戦争(今や死語ですね)をテーマにした作品はリアルタイムで読んだ覚えがあります。でも初出はりぼんコミック1970年2月号(初出時は「幸福へのUターン」)ですが、どこでこの雑誌を読んだのかさっぱり記憶にありません。当時まだ9さいでした(歳バレバレですね)。
最後は倉庫で同人誌整理してたら出てきた2冊です。
あらゐけいいち「幸せの角度」。12ページのコピー誌です。2008年2月のコミティアで発行されました。下は同時に配布していたフリーペーパーです。
ちょっと販売タイミングを逸してしまったかも知れません(^^;;。
こちらは販売タイミングとしてはまさにジャスト。
今テレビドラマ「孤独のグルメ」で注目を浴びている久住昌之とスピリッツで「DAWN
-陽はまた昇る-」を描いていたナカタニDのカップリングによる、女性版「孤独のグルメ」ともいえるのが、この「百合子のひとりめし」。2004年の漫画アクションに7回だけ掲載されその後中断した作品。単行本化はされずに2006年8月のコミティアで同人誌として発行されました。
今週はこんな所で。
今週はちょっと時間があるので目録と関係ないことをいろいろ紹介。
先週のコミティア99で行われていた、おおやちきさんの原画展というのは、このアンソロジーの刊行記念と連動した企画でした。講談社発行「好きです、この少女まんが。」全5巻です。表紙がすべておおやちきさんの書き下ろしとなっております。
| 「好きです、この少女まんが。」第1集 テーマ:恋愛 収録内容 ろびこ『ビー玉の橋』 花郁悠紀子『春秋姫』 くらもちふさこ『冬・春・あなた』 ジョージ朝倉『恋文日和
あたしをしらないキミへ』 小野弥夢『ロマンティカル・ブルー・イルミネーション』 克間彩人『骨壷』 多田かおる文月今日子『みちくさ』 『ピンクの雪が降ったら…』
B6判 定価930円(税込)
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| 「好きです、この少女まんが。」第2集 テーマ:家族 収録内容 岩館真理子『黄昏』 竹田真理子『50年の時を超えて』 中山乃梨子『モデラートカンタービレ』 森尾理奈『奇跡の贈りもの』 西原理恵子『はれた日は学校をやすんで』 吉田まゆみ『バラ色が目にしみる』 羽海野チカ『空の小鳥』
B6判 定価930円(税込)
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| 「好きです、この少女まんが。」第3集 テーマ:感動 収録内容 海野つなみ『西園寺さんと山田くん』 大和和紀『ポケットの中の奇跡 綾子』 津雲むつみ『いってしまった夏』 小椋冬美『あなたの青空』 おおやちき『雪割草』 深見じゅん『春夢姫』
B6判 定価930円(税込)
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| 「好きです、この少女まんが。」第4集 テーマ:幻想 収録内容 吉田秋生『きつねのよめいり』 いくえみ綾『My dear B・F』 森川久美『君よ知るや南の国』 阿部律子『アルカディアの少年』 美内すずえ『泥棒シンデレラ』 耕野裕子『地上の一点』 名香智子『気のふれた季節』
B6判 定価930円(税込) |
| 「好きです、この少女まんが。」第5集 テーマ:異彩 収録内容 羽海野チカ『星のオペラ』 水野英子『にれ屋敷』 高野文子『玄関』 文月今日子『スー・セント・マリーの恋』 樹村みのり『雨』 曽祢まさこ『おむかえがくるよ』 木原敏江『日なたへ日かげへのロマンス』 よしまさこ『嘘八百屋』 萩尾望都『半神』
B6判 定価930円(税込) |
少女漫画家85人の自薦他薦にによる少女まんがアンソロジーです。発行は講談社ですが、実のところ講談社出身の少女漫画家の比率が少ないです(^^;。この手の復刻は近年ですと文庫版が多いのですが、こちらはちょっと大きめB6版です。老眼の人にも優しい仕様です(^^;。
ご興味のある方は是非購入を…
詳細な内容と各販売サイトへの案内はこちらへどうぞ
http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/90010
この手のアンソロジーは出版社都合のセレクションに偏ることが多いのですが、これは結構本気でセレクションしていることが伺えます。それでもやはり、なぜこの作家が収録されていないのかとか、この作品よりこっちの作品のほうがよいとか、人によって様々な意見があると思います。そんな様々な意見がありましたら、是非出版社の方に届けてあげてください。
連絡先は講談社コミッククリエイト(http://kodansha-cc.co.jp/)まで。本アンソロジーの編集を担当した会社です。
こんな感じのアンソロジー増えるととても嬉しいです(部分的に古本屋泣かせかも知れないけど(^^;)。
最後にもう二つ紹介。
店主の最近一番のお気に入りマンガです。ビッグコミックオリジナル2012年3月増刊号掲載、有間しのぶ「その女。ジルバ」。
主人公はリストラでスーパーの倉庫係という地味な閑職になっちゃた笛吹新(うすいあらた)40才、女、貯金なし、独身。足りない生活費を稼ぐため夜間は平均年齢70才という超熟女バー”OLD JACK&ROSE"でホステス見習い修行中。なにせ平均年齢70才という超熟女ホステスばかりなので、40才にして小娘呼ばわりされています。
連載は今回で5話目。物語のもう一人の主人公ともいえるジルバママ(”OLD JACK&ROSE"の創業者で既に亡くなっている)の経歴が徐々に明らかになってくます。
このサイトでちょっとだけ試し読みができます。
http://big-3.jp/bigoriginal/zoukan/index.html
単行本化が実に楽しみです。
最後は、先々週に紹介し忘れちゃった(大ボケ)「漫画の手帖 TOKUMARU6号」です。1月22日に行われたMGMに合わせて発行されました。相変わらず店主の拙文掲載中です。