梅雨の晴れ間は良いけれど、東京地方はむっちゃ暑いです(^^;
暑さにめげずに今週の新着目録です。1960年代初期少女フレンド21冊(本当はもう少しあったのですが倉庫に忘れて来ちゃった)と貸本と少女物なんかです。
少女フレンドは1962年12月が創刊です。
こちらは1953年1月27日発行(実発売日ではない)の創刊5号目です。初期の漫画連載は、ちばてつや「ユキの太陽」、赤松セツ子「みならい天使」、山田英史「草原のメダル」、中島利行「カナリヤ少女」の4本。絵物語が真樹日佐夫・石原豪人「左ぎっちょの歌」他3本の構成です。この構成が半年ほど続きますがライバル誌となる「週刊マーガレット」が発売されると、漫画作品が増え続け約1年後の12月15日51号では漫画作品が実に7作品と増えました。
グラビアページなどはやはりおしゃれ関係やアイドル関連が多いのですが、他に「マーガレット」を意識したのか、イギリス王室のアン王女やキャロリン(J・F・ケネディの娘)のブロマイドが付いていたり、アン王女日記とかエリザベス女王の記事があったりします。
初期少女フレンドの漫画作品で古書的に注目を集める物は、細川知栄子、松本零士・牧美也子、楳図かずお、東浦美津夫あたりが筆頭。
左上が松本零士・牧美也子のMMコンビ合作「はしれフレンド」、右上が今読んでもけっこう怖い(^^;楳図かずお「紅グモ」。左下が生田直親原作の細川知栄子「東京シンデレラ」、右下が梶原一騎原作の東浦美津夫「ふりそで剣士」。
この作品は、細川知栄子「なくなパリっ子」が連載開始してまだ間もない1963年6月2日23号に掲載された、瀬戸かおる「ひろった幸福」です。絵はどうみても細川知栄子です。中島利行「カナリヤ少女」の休載の際に代原として使われているのですが、”瀬戸かおる”という名義がよく分かりません。同じ作者で2作品が掲載されることを嫌った上での配慮かもしれません。ひょっとしたら妹の細川芙美子の作品なのかもしれません。どちらも憶測なんで誰か知っていたら教えてください。
時代的にバレエ物が多いのも特徴です。
左上が東浦美津夫の唯一(たぶん)バレエ漫画「はばたく少女」。右上はバレエ企画物で松島トモ子。左下が写真小説で森下洋子。右下も企画物で松島トモ子。バレエ全盛の時代でした。
貸本の方は、久しぶりな割には点数が少ないです。今回目玉は摩天楼6です。
カバー状態がかなり悪いのですが、そのカバーに右側の「影34集」のポスターが裏打ちされておりました。貸本でも活躍されたみやわき心太郎氏がこのポスターをみて、”ああ、そういえばこんなポスター店先によく貼ってあった”と言っておりました。けっこう貴重な資料だと思います。カバーが悪い分のおまけだと考えてください(^_^)
女性向けには水上澄子が久しぶりに4冊入荷しました。
執筆当時はそれほど人気があった方ではないのですが、ネットで人気が燃えた部類の人です。
金曜日頃、さる有名なコレクター高木氏から当店宛にCD−ROMが送られてきました。中身は昭和30年代を中心としたB6,A5版の単行本リストです。出版社別に膨大な数量がまとめられておりました。まことに頭が下がる思いです。これで表紙画像と奥付データがあれば完璧なリストとなると思います。これだけ隆盛を誇った日本の漫画文化を闇に埋もれさせないためにも、このような市井の方の仕事は、もっと評価されるべきだと思います。文化庁もちょっとは考えてよ〜。
来週はちょっと未定です〜