神保町裏通り日記  
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6月25日(土)
天気(暑)
売上(^_^)
(久しぶり)

 

 梅雨の晴れ間は良いけれど、東京地方はむっちゃ暑いです(^^;

 暑さにめげずに今週の新着目録です。1960年代初期少女フレンド21冊(本当はもう少しあったのですが倉庫に忘れて来ちゃった)と貸本と少女物なんかです。

 少女フレンドは1962年12月が創刊です。

 こちらは1953年1月27日発行(実発売日ではない)の創刊5号目です。初期の漫画連載は、ちばてつや「ユキの太陽」、赤松セツ子「みならい天使」、山田英史「草原のメダル」、中島利行「カナリヤ少女」の4本。絵物語が真樹日佐夫・石原豪人「左ぎっちょの歌」他3本の構成です。この構成が半年ほど続きますがライバル誌となる「週刊マーガレット」が発売されると、漫画作品が増え続け約1年後の12月15日51号では漫画作品が実に7作品と増えました。

 グラビアページなどはやはりおしゃれ関係やアイドル関連が多いのですが、他に「マーガレット」を意識したのか、イギリス王室のアン王女やキャロリン(J・F・ケネディの娘)のブロマイドが付いていたり、アン王女日記とかエリザベス女王の記事があったりします。

 初期少女フレンドの漫画作品で古書的に注目を集める物は、細川知栄子、松本零士・牧美也子、楳図かずお、東浦美津夫あたりが筆頭。

 

 

 左上が松本零士・牧美也子のMMコンビ合作「はしれフレンド」、右上が今読んでもけっこう怖い(^^;楳図かずお「紅グモ」。左下が生田直親原作の細川知栄子「東京シンデレラ」、右下が梶原一騎原作の東浦美津夫「ふりそで剣士」。

  この作品は、細川知栄子「なくなパリっ子」が連載開始してまだ間もない1963年6月2日23号に掲載された、瀬戸かおる「ひろった幸福」です。絵はどうみても細川知栄子です。中島利行「カナリヤ少女」の休載の際に代原として使われているのですが、”瀬戸かおる”という名義がよく分かりません。同じ作者で2作品が掲載されることを嫌った上での配慮かもしれません。ひょっとしたら妹の細川芙美子の作品なのかもしれません。どちらも憶測なんで誰か知っていたら教えてください。

 時代的にバレエ物が多いのも特徴です。

 

 

 

 左上が東浦美津夫の唯一(たぶん)バレエ漫画「はばたく少女」。右上はバレエ企画物で松島トモ子。左下が写真小説で森下洋子。右下も企画物で松島トモ子。バレエ全盛の時代でした。

 貸本の方は、久しぶりな割には点数が少ないです。今回目玉は摩天楼6です。

 

 カバー状態がかなり悪いのですが、そのカバーに右側の「影34集」のポスターが裏打ちされておりました。貸本でも活躍されたみやわき心太郎氏がこのポスターをみて、”ああ、そういえばこんなポスター店先によく貼ってあった”と言っておりました。けっこう貴重な資料だと思います。カバーが悪い分のおまけだと考えてください(^_^)

 女性向けには水上澄子が久しぶりに4冊入荷しました。

 

 執筆当時はそれほど人気があった方ではないのですが、ネットで人気が燃えた部類の人です。

 

 金曜日頃、さる有名なコレクター高木氏から当店宛にCD−ROMが送られてきました。中身は昭和30年代を中心としたB6,A5版の単行本リストです。出版社別に膨大な数量がまとめられておりました。まことに頭が下がる思いです。これで表紙画像と奥付データがあれば完璧なリストとなると思います。これだけ隆盛を誇った日本の漫画文化を闇に埋もれさせないためにも、このような市井の方の仕事は、もっと評価されるべきだと思います。文化庁もちょっとは考えてよ〜。

 来週はちょっと未定です〜

 

 

6月18日(土)
天気(曇)
売上
_| ̄|○8乗
(ちょっと減った)

 

 梅雨って感じですね。市場の方はなんだか上手く落札できなかったり高く落札しちゃったりで、脳みそカビてるかもしれないです(T_T)

 今週の新着目録です。1979年「花とゆめ」つ宇宙物とSF物とSM物です。

 1977年の「花とゆめ」は、新旧入れ替わりが激しい時代です。今週は2作品紹介。

 こやのかずこ最後の連載となる、「ダメ兄ちゃん」。新年1号から連載開始で奇数号連載23号完結の全12話です。こやのかずこらしいほのぼのとした兄妹のお話で非常によい話でまとまっています。単行本にならなかったのは、単に時代が悪かったとしか言いようがないかもしれません。

 

 もうひとつのお勧めは、神坂智子「りめんばぁ」です。作者の分身と思われる少女と僅かに片山潜に絡む話は後の「べんがら格子の家」を彷彿させます。

 航空宇宙ジャンルは岩崎書店少年少女宇宙開発の科学シリーズの入荷です。全12巻のうち9巻まで入荷しました。子供向けでしたが内容的には一番充実したシリーズでした。

 

 

 

 左が集英社のなぜなぜ宇宙学習漫画シリーズ。右があかね書房の少年少女20世紀の記録。1970年前後はこの手の宇宙開発物が爆発的に売れておりました。

 

 最後にちょっと性風俗系。左が蘭光生「SM博物館」。蘭光生といえば7つの名前を持つ男として有名です(^_^)。本名は清水聰。詩と小説は間羊太郎。ミステリーは間洋之介。ハウツー物は小早川博。占いはウラヌス星風。SFは式貴士。そしてSMが蘭光生。でもそんなにジャンル分けがきれいになっているわけではないので、コレクターはけっこう大変です。

 右は南郷京助「海賊奴隷島」。意外とコンプリートが難しい裏窓叢書の10巻目。中川彩子(藤野一友)の挿絵がそそります。

 来週は何とか1960年代フレンドをやってみたいと思います〜。頑張らなきゃ〜。

 

 

6月11日(土)
天気(曇り時々雨)
_| ̄|○十乗

 

 天候不順なせいか、眠いというか怠いというかへんな体調が続きます(T_T)。そろそろ梅雨に突入しそうです。また古本屋泣かせの季節が始まります。

 今週の新着目録です。1977年週刊少女コミック全揃いです。

 「風と木の詩」が好調で、部数もそこそこ伸びてきた頃だと思われます。新人やアシからの引き抜きなどで紙面もバリエーションに富み、色々な実験的な作品も出だしてきております。

 少女漫画誌としては、当時かなり珍しい本格SFでしかも同人グループによる合作という実験作品「ダリウスの風」。

 大御所によるロストワールド物「プルトンの息子たち」。

 

 飛鳥幸子によるSF作品「アンダー・ワールド」。これが少女漫画誌での最後の仕事になります。右はその後少女漫画による本格SFの道を切り開く佐々木淳子のデビュー作「キムのゆうれい」

 他にも睦月とみ(矢代まさこ)の単行本未収録やあすなひろしの単行本未収録等々。

 

 さらに少女漫画誌では珍しい女子プロモので、志賀公江の単行本未収録。

 

 上の見開きがビューティペアを始め実在のプロレスラーが登場する「青春ファイター」。下側左が連載開始時の巻頭グラビア。両側がビューティペアで真ん中が志賀公江。下側右が「青春ファイター」連載の先駆けとなった「リングの女王」。こちらも単行本未収録。

 他にも少コミでは珍しい汐見朝子や店主の個人的お気に入り宮田陽子や粕屋紀子など読みどころ満載の1977年少コミです。

 

 来週は「花とゆめ」を予定しております。余裕があったら貸し本も出したいと〜。

 

 

6月4日(土)
天気(晴のち雨)
売上
エーン(T_T)

 

 天候不順です。風邪ひきかけましたが、治っちゃいました。なんだかよく分からない天気だったり体調だったりします。

 今週の新着目録です。雑誌しかありませんm(_ _)m。1976年マーガレットですが、ちょっと揃いが悪いですm(_ _)m

 そろそろベルサイユのばらも息切れしかけた頃です。

 

 ベルばら関連の企画も多かったですが、この時期『人気まんが家のすべて』という企画物が組まれます。集英社系以外でも萩尾望都がいたり、大島弓子と木原としえの合作『にじゅういちめんそうとあけちたんてい』なんかがあったりもします。意外と楽しめる企画でした。

 

 この年のマーガレットを語る上ではずせないのは有吉京子『SWAN 白鳥』の連載スタートです。

 ベルばらのような熱狂的なブームにはなりませんでしたが、連載期間5年弱、単行本21巻という、この頃の少女漫画誌においては驚異的なロングランとなります。質・量ともに最高のバレエ漫画といえましょう。いまでも根強いファンが多い作品です。

 

 今週はお勧めどころがいまいち不足なんで、もう一点。意外とファンも気がついていないと思いますが、この年の後半の表紙の幾つかを大矢ちき(おおやちき)が担当しておりました。この頃の漫画雑誌の表紙を掲載まんが家以外が描くのはかなり異例のことです。在庫に欠番があるので全部で何号担当したのかちょっと不明ですが、9作品は確認できました。コレクターの方如何っすか(^^;

 来週は「花ゆめ」か「少コミ」の予定。本当は「少フレ」やりたいのだけれど、ちょっと倉庫から持ってこれなくて_| ̄|○

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮