そろそろ10月です。10月になると恒例の古本まつりが開催されます。今年は10月27日(金)〜11月5日(日)までとなります。
今年も色んなイベントが開催されます。当店でも色々仕込みをしております。
そんな第一弾がこれ。
みなもと太郎 画業50周年 原画展
−「ホモホモ7」「ふたりは恋人」〜「風雲児たち」まで−
2017年10月29(日)〜11月5日(日)
神保町 @ワンダー2階 ブックカフェ二十世紀
入場:無料
会期中に一部原画、著作、同人誌、グッズの販売もいたします
最終日11月5日(日)17時より スペシャルトークイベント開催!
みなもと太郎×飯田耕一郎
参加費2千円(1ドリンク付き)
終演後に別途1千円で懇親会開催
なんで開催場所がくだん書房じゃなくて@ワンダーかといえば、うちには原画展やるスペースが全く無いからです〜(^^ゞ
第2弾、第3弾は古本まつり直前に発表いたします。
では、今週の新着目録です。
先週紹介できなかった「ふしぎな仲間たち」全9冊と東考社版「超人ロック」です。
まずは「超人ロック」。以前は単行本に分類していたんですが、やはり作画グループの同人誌としての性格が強いので同人誌の分類に変更したします。
作画グループ7の聖悠紀「超人ロック コズミックゲーム」です。赤いカバーがスレやすくてすぐにカバーコンディションが悪くなるのですが、これは折り返し部に少々スレがありますが、まあまあのコンディションです。
こちらは1977年に出された普及版。全2巻です。
お次は「ふしぎな仲間たち」です。今回全9巻揃ったので表紙も含めて紹介します。
第1号 1974年10月発行 B5サイズ 154ページ 定価380円
第2号 1975年6月発行 B5サイズ 188ページ 定価380円
第3号 1976年1月発行 B5サイズ 108ページ 定価200円
第4号 1976年3月発行 B5サイズ 108ページ 定価200円
第5号 1976年6・7月号(5月発行) B5サイズ 156ページ 定価260円
第6号 1976年9・10月号(9月発行) B5サイズ 156ページ 定価260円
第7号 1976年11・12月号(11月発行)B5サイズ156ページ 定価260円
第8号 1977年1・2月号(1月発行) B5サイズ156ページ 定価260円
1977年3・4月号(3月発行) B5サイズ156ページ 定価260円
「ふしぎな仲間たち」は創刊が1974年10月、終刊が1977年3月、約2年半の間に9冊が発行された。
商業誌とも同人誌とも取れるような作りと内容で、以前販売した際にははっきりとした出版の経緯がよく判らなかった。今回調べ直した所、多少判明した部分がありましたので、ご紹介します。
発行人は篠原幸雄と田村仁の2名。
篠原幸雄は、1950年東京生まれ。中学時代に仲間3人と「つれづれ草」という肉筆回覧誌を発行。同人誌はCOMで紹介されたり、新宿コボタンで展示会なども行っていたようである。
高校時代からマンガの持ち込みを行い、高校卒業とともにダイナミックプロにアシスタントとして参加。1970年12月に週刊少年ジャンプでイタイイタイ病をテーマにした「悪魔の水」でデビュー。その後秋田書店に移って週刊少年チャンピオンにて「負けずの大五」を連載するが、10回にて打ち切られる(当時の編集長は壁村耐三氏)。
そして商業主義に乗ったマンガではなくて掲載できる場を作りたいとして「ふしぎな仲間たち」を刊行する。
もう一人の田村仁については、全く判らなかった。名前から 「ふしぎな仲間たち」で執筆していた田村良介かとも思われたが、確証をつかむことはできなかった。
1974年10月にB5サイズ154ページ定価380円で第1号が刊行される。いろいろと試行錯誤をしたようで3号以降は隔月ペース。値段もページ減して200円〜260円。執筆者もプロからアマチュアから多方面の人材が集まり、独自レーベルのコミックエトランジェを立ち上げ「負けずの大五」の単行本を刊行するが、9号目で資金がショートし廃刊となった。ちなみに廃刊の告知はされていません。
アウトラインはこの程度で、あとは内容の紹介を。
1号から。篠原幸雄「負けずの大五 第2部放浪編 谷下路村覚書」。
4号から。竹内オサム「白い手紙」。評論以外は読んだことなかったのですが、意外と漫画も上手い方ですね。
6号から。土屋進「ひるさがり」。多分あの土屋進だと思うのですが、どうなんでしょうか。多分大丈夫だと思うのですが、今ひとつ確証が持てない(^^ゞ
左が1号から。おかざき優「パーの一族」。右が4号から。みだらゆうすけ「パーの一族4 メリーベルと金の◯○」。「パーの一族」シリーズは執筆者変えての連作で5話まで続きました。
第1話の掲載が1974年10月号なので、迷宮の「ポルの一族」よりも早い時期でのパロディ化です。ある意味凄いな〜。
5号と6号には、竹沢コウ「パンディモニアムシャドウショウ」。商業デビューはりぼん1976年夏休み大増刊なのでちょうどデビュー時期です。その後、竹沢タカ子にペンネーム変えてウィングスで活躍します。
7号から。すがやみつる「手錠刑事 ワッパデカ」。すでにデビューしてますが、「ゲームセンターあらし」がブレークするちょっと前です。
最後の1作は5号から。某漫画の手帖の某編集F氏が愛してやまない、有川さぶ「フレーバーランドの妖精たち」です。1976年というこの時期にこれだけ荒唐無稽前衛的な怪作漫画があっただろうか。いやおそらくあるまい。この作品に価値を見出した、某編集F氏の見識の鋭さ(笑)に敬意を評します。
ちなみに有川さぶは有川しりあ名義で企画物のマンガをやられているようです。
今週はこんなところで〜。来週はまた同人誌です〜。