神保町裏通り日記  
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5月27日(土)
天気(雨)
売上_| ̄|○

 

 雨ばっかり降っております。ここまで雨が続くと日照不足で農作物に影響が出そうです。最近自炊が多くて野菜の値段が気になる店主であったりします。

 先々週に仕入れた雑誌の山は徐々に切り崩し始めております。川崎苑子の単行本にならなかった連載だとか、「ガラスの仮面」のパラレルワールドストーリー連載だとか、面白い部分も見つかり始めております。そのうちご紹介いたします。

 今週は1972年頃の少女フレンドとレディスコミックYOU。

 1972年の週刊少女フレンドといえば、細川知栄子「花のロマンス」。主人公の真理はスターを夢みる少女。ところがある日、姉の夏子に舞子として売り飛ばされた上、恋人を盗られてしまう。飲んだくれのオヤジは娘の身売りの代金をバクチにつぎ込むは、肩のほくろには怪しげなひみつが隠されているは、というジェットコースター級の展開(^^;。
  よく考えたら画像を撮っていない(^^;。連載第1回のフレンドを混種はアップできなかったので、画像はまたそのうち・・・

 

 代わりにこちらは「ゆめみる恋」当時としては珍しい扉カラー。右は別冊少女フレンド1970年9月号掲載、阿部律子(あべりつこ)「ヤー!ヤー!青春」。デビュー2作目で単行本未収録です。

 レディスコミックYOUは1991年から2年頃。さすが集英社だけあって津雲むつみ等を筆頭に厚い陣容です。レディスコミックを読んでいると、なるほど人生の年輪を経ないと描けない漫画もあるのだな〜と納得してしまいます。ある種、男性系の漫画より生活とか人生とかにたいして真剣に取り組んでいる面が見えて興味深いです。

 

 左はYOU1992年3月号掲載、粕谷紀子「夢のようだね」。右はYOU1992年6月号掲載、大谷博子「5年目の憂鬱」。どちらも少女漫画時代よりもレディスになってからの方が活躍されている方ですね。

 雑誌以外は今回も少なくてすみません。

 業田良家「歌男」。歌と行っても短歌の方です。

 鬼頭莫宏のデビュー単行本「ヴァンデミエールの翼」。ちなみにヴァンデミエールというのはフランス革命暦で”葡萄月”(グレゴリオ暦の9月下旬から10月頃中旬)のことです。フランス革命歴というのは結構合理的な暦だったのですが、ギャップも激しかったので12年くらいしか使われませんでした(全ての日付に名前が付いているというのは明らかにやりすぎ(^^;)。

 それでは、また(^_^)/~

 

 

5月20日(土)
天気(晴だったり雨だったり忙しい天気)
売上(閑)

 

 

 色々ドタバタの一週間中々休み閑もありません(T_T)。先週の買い入れは結局1000冊を超えました_| ̄|○。倉庫に入り切らなくて某所の階段に山積み状態(^^;

こんな感じです。

 物としては、1970年代後半から1990年代中盤までの白泉社系3割、小学館系3割、集英社1割、講談社1割、秋田書店1割、その他1割てな感じです。
 年内中には何とかしたいな〜という所感でございますm(_ _)m

 今週の新着目録です。目先を変えてレディスコミックです。あまり自分で読んだことがなかったジャンルですが、見ていると結構面白いです。まず作家陣に懐かしい人が多いです。

 筆頭はこの人、松尾美保子。

 

 左はComicVAL1992年3月号掲載「夢を紡いだ日」。右が少女コミック1968年5月号掲載「ひとりだけのバレエ」です。デビューははっきりと分かりませんが、1963年頃の若木書房の貸本だと思われます。実にこの時点で30年選手でした。

 他にも懐かしい名前は目白押し。汐見朝子、たらさわみち、河あきら、井出知香恵、中原千束、花村えい子、いまいかおる等々。少女マンガ時代よりも生き生きと描いている人もいて、頼もしいかぎりです。

 レディスコミック系でお奨めといえばイケスミチエコ。こちらはコレット1992年6月号掲載「愛・標的(ラブターゲット)」。昔から絵のうまさでは定評がありましたが、更に磨きが掛かっている状態です。しかし掲載紙の弱さから堪能本に関してはレディス系は不遇で、この「愛・標的(ラブターゲット)」も2巻まで出ましたが、それ以降の巻は結局未完です。連載がどこまで続いたかハッキリと分からないのですが、1990年に2巻目が出て、1992年の時点でまだ連載が続いていましたから、全部で4巻くらいの分量は最低でもあったはずです。もったいない話です。

 当然のことながら昔と違うペンネームで活躍されている作家さんも随分いるとは思います。そこら辺はこれからの調査の課題ですね。それでも今回だけで調べてみると面白い作家とか話とかが出てきます。

 こちらは先と同じコレット1992年6月号掲載の秋野すすき「乙女ザ家族」です。秋野すすきと言われても99.9%の人が分からないと思いますが、かの有名な北冬書房・高野慎三氏の奥さまです。こんなところでも描かれていたんですね。

 こちらはComicVAL1992年3月号掲載の作画:美里綾子 原作:揚愛蓮「蜜の味」です。これに関しては作画の方でなく、原作の方。楊愛蓮はコミックアルファで連載された「薬膳仙女マダム明」の原作でも有名な方です。(余談ですが私このマンガ結構好きでした(^^;)当時このマンガを読んでいてなるほど原作は中国の方か・・・などと勝手に納得していたのですが、実は揚愛蓮というのは里中満智子の原作やるときの名義のようです。う〜ん、なんて奥が深いんだ。

 他にはJUNE関係をちょっとアップしましたが、JUNEは創刊号もふくめてそのうちまとめてアップしますので詳しくはそのときにでも。JUNE関係はとても苦手なのですが、今回一つだけ気に入った作品が・・・

 小説JUNE1998年9月号市東亮子「SHOTAの寿司」。まあ「将太の寿司」のパロディですが、素直に笑わせていただきました。

 今週はネタが少なくてすみませぬm(_ _)m。来週はもちっと気合い入れて。

 

 

5月13日(土)
天気(晴)
売上_| ̄|○

 

 

 明日は出張買取に行くのですが、量の割には値段になりそうもない予感で、行く前からすでにちょっと萎え気味です。だいたいこの期に及んで雑誌800冊も仕入れてどこに置けばいいのだろう(T_T)

 そんなわけで今週の新着目録です。すいません気合いは行っておりません_| ̄|○。雑誌入力中にちょっとトラブルがあったので、全然数が打ち込めませんでした(T_T)

 

 雑誌の方は、セブンティーンの増刊だけとなりました。上の画像はその中でもちょっと変わったところで。左は樹村みのり「身体に関する覚えがき」。右は、おおやちき「しゃきしゃき地獄」。

 雑誌以外は、わたなべまさこ「悪女シリーズ」。全18巻はちょっと珍しいです。

 

 わたなべまさこのレディース系は、エロスよりホラーの香りが強いです。昔の少女漫画の印象と随分と違うので、古い作品のファンにはあまり人気はないのですが、先入観を捨てて読んでみるとけっこう面白いシリーズです。ヤングジャンプコミックスとして出ておりますが、掲載紙はヤンジャンではありませんでした。調べたのですが結局掲載紙は分かりませんでした(^^;。

 今週は解説も気合いが入っておりません。申し訳ないm(_ _)m。

 

 

5月6日(土)
天気(晴)
売上(涼)

 

 

 昨日コミティアに行ってきました。落書館から発行されている『落書帳』を見ていたら、”松本るい”の名前が・・・。売り子のひとに聞いてみたら本人も出展しているとのことで、ブースによって直接お会いしてきました。つい最近も『モンゴル国へ行ったよ』という本を出され、なかなかお元気そうでした。

 今週の新着目録です。GWの絡みもあるので雑誌はお休みです。

 えーまずは古いところから『凸凹黒兵衛』。

 

 田河水泡作『凸凹黒兵衛』は、講談社婦人倶楽部の昭和8年5月号〜昭和13年12月号まで連載されていました。当初はB5サイズの付録で、昭和10年の新年号から綴じ込みの細長いサイズ(21×13cm位)の折帖になり、その後本誌連載や黒兵衛新聞という形式を取ったりして5年8ヶ月の間、連載を続けます。昭和9年9月に講談社から単行本として出されますが結局1冊しかでなかったため、初期の13話以外はいまだに単行本未収録となっております。

 同じ作者の「のらくろ」に比べると、後年の人気に随分と差が見られます。これは「のらくろ」が少年倶楽部という子供向けの雑誌に連載されていたのに比べ、「凸凹黒兵衛」は婦人倶楽部という婦人雑誌に連載されていたため(綴じ込み付録の形式が長かったのは、母親が本誌から付録部分を切りはずして、子供に与えるのに都合が良いようにするためと思われる)、思い入れが出来にくかったためかも知れない。

 しかしながらキャラクターの造形は非常に良く、逆に「のらくろ」よりも現代に通用するキャラクターだと思われる。もっと評価されてしかるべき作品である。

 今回目録に掲載した物は、昭和10年の新年号から11年の初期までの12冊です。折帖仕立てで24ページ有り、ストーリー的にも読み応えがあります。

 他には女性向けで

 のがみけい「風よ雲」全2巻と赤座ひではる「マッチ箱のようなお城」です。「マッチ箱のようなお城」は巻数表記がありますが、1巻のみの刊行で2巻以降はありません。

 男性向けは1冊だけ(^^;

 驚異的作画で話題を呼んだ台湾のマンガ家鄭問の「始皇」1巻です。こちらも1巻のみしか刊行されませんでした。

 イラスト集にはつい最近倒産したビブロス発行の真東砂波「COLOR」。

 ポスターも付いてて、状態も良いです。

 最後は昨日のコミティア76に併せて発行された、ざちお「誰も猫なぞ」。

 ざちおさんのホームページ上で好評連載中「はねむす」の番外編です。ルカが如何様に化け猫(^^;となったかが知ることが出来ます。売価は900円です。

 こちらは昨年の冬コミで発行したコピー誌「はねむす2.5」。売価300円ですが、「誰も猫なぞ」と同時注文いただいた方には100円引きいたします。さらに著者特製の絵はがきまで付いております。こちらは残部少なのでお早めに〜。

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮