神保町裏通り日記  
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10月25日(土)
天気(曇)
売上
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 今回久しぶりに特集を更新しました。昭和20年代から30年代の少女小説の挿絵や貸本漫画の表紙原画および校正刷りなどです。
 木村光久、勝山ひろし、糸井俊二、山本サダ、江川みさお、戦後の少女小説、少女漫画を彩った、挿絵画家の世界をご堪能ください。

 

 左画像は木村光久単行本用表紙原画。右画像は江川みさお原画。

 勝山ひろしの挿絵原画。

 糸井俊二の挿絵原画。 他詳細は特集ページでどうぞ

 新着の方は珍しく男性向け単行本と雑誌が週刊少女コミック1985年代。

 これはちょっと珍しい単行本。原作梶原一騎・作画水島新司「泣き笑い番長」(旋風編)です。少年キング誌上で「ファイティング番長」のタイトルで連載されたものの単行本です。連載自体は、この旋風編の他に野球編、ボクシング編、フェンシング編と続いたようなのですが、単行本は旋風編の1冊だけしか出ませんでした。

 

 

 辰巳ヨシヒロのナポレオンブックスが上記作品含めて4冊入荷。暗い作風が多いですが、この時期の辰巳作品が一番辰巳ヨシヒロらしくて好きです。

 

 

 永島慎二は、サンコミックスを中心に5作品が入荷。

 

 

 他ちょっと変わったものとしては、ムロタニツネ象「人形地獄」と宮谷一彦「性蝕記」が入荷です。

 雑誌の方の解説は今回パスです(^^;。

 来週はいよいよ神田古本祭り。11月2日、3日の連休もも営業予定。1日土曜日の目録更新もありますが、内容に関しては未定です。

 

 

10月18日(土)
天気(曇)
売上
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 秋も深まって参りました。今月27日〜11月3日にかけて神田古本まつりが行われます。当店でイベントとかするわけではないのですが、ついでがありましたら当店にもお寄りください(^^;。一応2日、3日の連休も営業しております。

 今週の新着目録です。イタミの激しい「少女ブック」1冊と古いのとそれほど古くない「なかよし」が3冊と1980年代のプチコミックが10数冊です。雑誌以外は2冊しかありません。今週は低調です。

 

 講談社少女ブック1958年2月号です。裏表紙を含めて数ページ(ページ数不明)落丁しているいます。目次と付き合わせるとマンガを含めた記事関係はすべて載っているようですが、具体的に何ページ落丁したのかはやはり不明です。わたなべまさこ「しあわせの鐘」第1回が掲載されております。この号では付録で「山びこ少女」も連載中。同一誌で2本の連載を抱えるというのもすごいものです。

 

 なかよしの古い方は、1965年12月号と1968年1月号。この当時少女漫画誌の表紙といえば子役の写真というのが定番です。ただし店主は子役に疎いので、誰が誰やらよくわかっておりません(^^;。

 プチコミックの今週の売りは、倉多江美と筒井百々子の単行本未収録作品。

 

 

 左上がプチコミック1980年6月号掲載、倉多江美「浪漫薔薇」。右上が1982年2月号掲載、筒井百々子「終章 COVERT LAST SONG」。左下1982年6月号掲載、筒井百々子「銀のあいさつ」。右下1982年9月号掲載、筒井百々子「プレイリー・フラワー」。

 雑誌以外は

 

 佐藤史生「竜の夢その他の夢」。今回は帯付きです。いつもこの単行本は画集に分類するか普通のマンガとして分類するか迷うのですが、マンガが載っている比率が多少高いので漫画本に分類しております。

 右は、ジュニアチャンピオンノベルスの立原えりか「純愛小さな恋の名作7」です。挿絵は森村あすか他。タイトルの”7”というのは7巻目という意味ではなく、作品が7編掲載されているという意味です。

 来週はまた週刊少女コミックに戻る予定。雑誌以外は男性向きの単行本になる予定です。

 

 

10月11日(土)
天気(晴)
売上
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 秋も深まると、眠気も深まります(^^;。ここのところ涼しくて、いくら寝ても寝たりない気分です。

 眠気を堪えつつ、今週の新着目録です。雑誌は1984年週刊少女コミック1年分、その他は貸本漫画です。

 貸本漫画は、まずは新爆笑ブック。

 

 東京漫画出版からでたギャグ系のアンソロジーで、主筆は滝田ゆうでした。いつ頃から発行されたのかのデータがちょっとないのですが、廃刊は1964年9号のようです。

 このアンソロジーからデビューした漫画家にあだち充の実兄のあだち勉がおりました。

 

 左は新爆笑ブック1962年6号の読者欄に投稿されたカットです。右はデビュー間もない1964年の6号に掲載された、「3ばか兄弟 第1回」です。高校二年生の時の作品です。赤塚不二夫と仲がよかったそうですが、4年ほど前に亡くなっております。

 他は貸本漫画として後期のものが多く、雑誌掲載をまとめた作品が今回多めです。

 

 

 左上、つのだじろう「逆転王」。初出は1962年〜3年の週刊少年マガジン。右上は古賀新一「猫の目人形」。これの初出が不明なのですが、併載の「人形の家」のほうは、週刊マーガレット増刊1966年12月20日号です。

 左下、九里一平「すっとび力丸」。初出は1963年週刊少年マガジン。右下は、久慈あきら「弾丸ジャロ」。初出は1961年週刊少年マガジン。

 

 こちらは川崎のぼる「おお、ひばりたからかに」。同名作品がりぼんカラーシリーズにありますが、どうもどちらが先に出たのかは判然としておりません。りぼんカラーシリーズと同名貸本作品は3作品が見いだせます(竹本みつる「ふたりの花物語」、西たけろう「星からきた少女」)。どちらがどう初出なのかは、今後調べていきたいと思います。

 雑誌は週刊少女コミックス1984年1年分。この年の気になる連載といえば、市川みさこ「しあわせさん」。

 市川みさこ「しあわせさん」は、1973年12月9日号から連載が始まった、当時としてはかなりな長寿作品でした。

 「しあわせさん」の連載は、アニメ化の決定が発表された1984年2月5日号で、いったん休載となります。このときの休載理由は作者の出産のためということでした。それから2ヶ月後の1984年4月20日号に於いて、タイトルをアニメに合わせた「オヨネコぶーにゃん」とし再開されます(アニメ開始は当年の4月3日)。ところが「オヨネコぶーにゃん」の連載は、1984年10月5日号で最終回となってしまいます。わずか12話と短命でした。

 アニメの方もちょっと変な経緯をたどります。全31回(1回に3話の放映を行ったので話数としては93話)の放映がされましたが、第1回から第28回までは1984年4月3日〜10月23日迄に放映されましたが、残りの3回分は翌年の3月に単発として放映されております。そしてもう一点主役のオヨヨの名称が途中で”ぶーにゃん”と変更されました。

 はっきりと事情はわかりませんが、このオヨヨという名称に絡んで何かトラブルが合ったのかもしれません。まあ単なる憶測に過ぎませんが。

 ちなみに単行本は全部で9巻出ました。9巻目の発行日は1984年の8月20日なので、結局1984年7月20日号以降に掲載された作品(「オヨネコぶーにゃん」としては7話目以降)は、単行本に収録されませんでした。

 

 左は「オヨネコぶーにゃん」として再開された第1回、1984年4月20日号。右は最終回、1984年10月5日号。ちなみに最終回でオヨヨは、クーニャンというメス猫と電撃結婚して終わります。作中としてはハッピーな終了でした。

 来週は少コミにちょっと疲れたので、プチコミにちょっと逃避します。筒井百々子の単行本未収録も出ます。

 それではまた来週。

 

10月4日(土)
天気(晴)
売上
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 秋口になると買取が増えます。夏場はあまり本の整理とかしたくないから、夏の終わりに集中するんでしょうね。気持ちはわかります。私も夏場は倉庫整理なんかしたくもなくなりますから。

 今週の新着目録です。雑誌は週刊少女コミックの1983年の一年分。貸本が9冊。漫画関連が2冊。ちょっと低調。

 まずは貸本から。「青春」が5冊。「刑事」が1冊。

 

 「青春 11号」には、つげ義春の「目には目を…」が収録。

 「刑事 49号」には、宮谷一彦「とむらいの歌」が収録。みやわき心太郎氏の談によれば、この号に新人の宮谷一彦を起用するに当たって、永島慎二とトップ社でひと悶着あったそうです。何がどうひと悶着あったかは書けませんが(^^;。

 個人誌のほうは、滝田ゆう。

 

 個人的には好きなのですが、古書的には「寺島町」以前の作品はもうひとつ人気が無いのが玉にキズ。

 漫画関連には、

 

 ミニレディー百科「たのしいクッキング」と「綿の国星ケーキの本」が入荷。「綿の国星ケーキ本」は、帯つきで状態も並上です。

 週刊少女コミック1983年からは、ちょっとだけ単行本未収録を紹介。

 

 河あきら”ヨッコのときめきシリーズ”2作品。左は1983年4月5日号掲載「春先・乱気流」。右が1983年6月20日号掲載「双子座のPimple」。ヨッコのときめきシリーズは、全部で8作品ありましたが、前半の5作品は単行本「なんとかしてよォ」に収録されましたが、残り3作品が未収録となりました。残りの一作品は1984年の増刊号に掲載されました。

 来週も週刊少女コミックの続きと貸本漫画の予定です。

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮