神保町裏通り日記  
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4月24日(土)
天気(晴)

 

 もうじきゴールデンウィークだというのに寒い日が続きます。雨の日も多くてなんだかウツです。

 今週の新着目録です。少なくて申し訳ありませんm(_ _)m。

 今回のオススメどころはこちら。北風智子「パパとあたし」です。
 北風智子は、『デラックスマーガレット』1974年夏の号掲載の「ボクの恋人くん」でデビューしました。70年代末まではデラックスマーガレットや別冊マーガレットで幾つかのほのぼの系コメディ作品を発表しました。一応店主が把握している最後の作品は、1998年頃の芳文社『まんがタイムジャンボ』誌の「おーえる物語」 です。現在どうされているのかはちょっと不明です。キャリアが長いわりには単行本はこの「パパとあたし」以外は存在しないようです。

 「パパとあたし」は、『別冊マーガレット』1975年3月号〜77年3月号まで連載しました。この単行本には20話分が掲載されております。父ひとり娘ひとりのほのぼのコメディで著者の代表作と言えるものです。

 

 こちらは青木庸2冊。どちらもサンコミックス・ストロベリーシリーズで、左が「ドラキュラ伯爵夏の休日」。右が「ハーディ・ガーディ・マン」です。デビューは1976年の『りぼん 夏休み増刊号』掲載の「ドラキュラ伯爵夏の休日」です。基本的にはコメディの人ですが、ときおりシリアスな作風の作品も書きました。個人的な趣味ではありますが、そのシリアスな作風の「首」とか「おいてけぼり」とかの作品がすごく好きでした。

 

 イケスミチエコも2冊。左は超能力者の兄妹を描いた連作短編集「アレンジ」。右は新米の看護助手を描いた「せい子の看護婦日記」。イケスミチエコもずいぶんといろんなジャンルの作品描いてます。ひとみコミックスだけでも結構な冊数が出ているはずですが、いまいち詳細がわからない作家さんです。

 

 忠津陽子の一番新しい単行本「冬恋物語」。秋田書店の『forMrs.』とか『DXボニータ』あたりで掲載された作品をまとめた単行本です。出版されたのが1996年と新しいのですが、古い単行本よりも出にくいです。

 右は、のがみけい「タァちゃんのうた」。りぼんに掲載された2作品をまとめたもの。初期の集英社漫画文庫ですが、りぼんマスコットコミックスより出てきません。

 最後は真乃呼「緑の世紀」全2巻です。真乃呼(石戸節子)のデビューは1970年頃(推定)のようです。少なくとも2007年までは同人誌で活躍しておりました(最近の状況が不明です)。ずいぶんとキャリアは長い方なのですが、商業単行本は残念ながらこの「緑の世紀」全2巻しかありません。この「緑の世紀」に連なるシリーズは同人誌の方で長く続いております。いとど同人誌の方も読んでみたいと思っているのですが、なかなか入手する機会に恵まれません。

 来週の5月1日の目録更新はお休み致します。次回の目録更新は5月8日になります。GW中はちょっと名古屋の方に出かける予定です。なにか面白いものでも見つかればよいのですが…

 

 

4月17日(土)
天気(晴)

 

 関東地方は本日観測史上タイ記録の遅さの雪が降りました。寒いったらありゃしない。

 今週の新着目録です。先週の南部市での成果です。いがらしゆみこ他のイラスト集とか絵本です。

 

 まずは、いがらしゆみこ「ジョージィ」のイラストアルバムです。いがらしゆみこのイラスト集の中で一番出にくいものです。今回のものは表紙に著者の直筆サインが入っております。左上が表紙ですが、右上と下は内部画像でなくてオマケです。おそらくバンダイが出したジグソウパズルに付属していたピンナップというか完成見本みたいなものです。同じジョージィの絵柄なので、この2枚をオマケとしてつけます。

 こちらは講談社なかよしの編集によるイラスト集です。1980年に出たもので、イラストは「メイミーエンジェル」と「キャンディキャンディ」が中心です。

 

 

 こちらの4冊は「キャンディキャンディ」の絵本です。上の2冊が講談社の「たのしい幼稚園」のテレビ絵本。下の2冊が同じ講談社のテレビ名作絵本です。

 

 大和和紀の画集も2冊入荷。左が「源氏物語 あさきゆめみし画集」。右が「大和和紀自選画集 クリスタルファンタジア」です。

 

 ちょっとマイナー?なところでは、里中満智子のイラスト集と夭折した花郁悠紀子の唯一のイラスト集「花宵闇」も入荷。「花宵闇」は帯付と帯なしの2種類が入荷しております。

 

 ちょっと変わったところの2冊。左は、ひかりのくにコミックス「ひょっこりひょうたん島」です。絵本のような作りですが、中身は絵本ではなく、ちゃんとコマ割りしたマンガ形式です。全部で7巻まで出ていたようです。
 右はひかりのくにテレビ絵本「魔女っ子チックル」です。こちらはちゃんとした絵本です。1巻の表記がありますが、続刊はどうやら無かったようです。

 雑誌の方は1種類だけ。創明社「月刊バルーン」1979年9月創刊号〜12月終刊号までです。

 

 「月刊バルーン」というよく分からないタイトルですが、もともとは「SFビッグ」という雑誌の後継です。内容的にもその手のSF記事路線です。フィリップ・K・ディックの「バルカンの鎚」という翻訳ものが連載されましたが、わずか4号で終刊となりました。1〜3号までは創明社の発行ですが、最後の4号では発行はみのり書房になっております。ここら辺の経緯はさっぱりわかりません。

 来週はまたもや未定です。

 

 

4月10日(土)
天気(晴)

 

 ようやく春らしい感じになりました。東京では桜はもう散ってしまいましたが…。来週は全古書連大市会という業者市が開催されます。年に一度の大きな市で地方と東京持ち回りで開催されるので、東京では2年ぶりとなります。まあ今回私に個人には特に手伝いとかの要請はないので、ヒマでは有ります。なんか少女漫画の面白い口がでればよいのですが…

 今週の新着目録です。なんだか適当にいろんなものを少しずつです。

 まずは中島利行「緋色のドレス」です。かなりカバーコンディションが悪くて申し訳ないです。若木書房の名作漫画総集ブックの18番目です。名作漫画総集ブックは全部で39冊出ました。このシリーズは基本的に雑誌掲載された作品を単行本化したシリーズ(の筈)ですが、雑誌掲載情報が不明なものが結構有ります。この「緋色のドレス」も掲載誌が不明です。たぶん「なかよし」あたりの掲載じゃないだろうかと思っているのですが、単なる推測ですが。

 

 

 2010年の現時点でも活動を続けている漫画同人の中で最も古いのが作画グループになります。その作画グループの初期オフセット同人誌がこの「ぐるーぷ」になります。あとから出たSG企画「GROUP」とは別物です。この「ぐるーぷ 2」は、推定ですが1969年の7月頃の発行のようです。
  初期作画グループのメンバーのメンバーの作品が読めます。右上が聖悠紀「歪んだ宇宙」、左下は、後に「ダッシュ勝平」でヒットを飛ばす六田登の「雲と少年」。右下が、みなもと太郎「白い少女」。
 発行は東考社で定価は240円。判型は新書サイズで商業単行本の体裁です。表紙左下に”ぐら・こん関西支部”と銘打たれております。当時のぐらこん関西支部の中心メンバーが作画グループ(すべてが作画グループというわけではない)だったようです。
 ちなみに「ぐるーぷ 1」は、曙出版から1968年9月頃に発行されました。「ぐるーぷ 2」の巻末に「グループ 3」の刊行予告が記載されておりますが、どうやら3号は出なかったようです。

 次は付録です。

 少女ブック1954年9月号付録、松本かつぢ「つの笛のひびき」です。全72ページの読み切り漫画です。コンディションはちょっと悪いです。

 

 こちらは少女1954年11月号付録、「あかい風車」です。表紙が二つ並んでおりますが、左が表紙、右は裏表紙です。さらに背には「ふたりの女王」と記載されており、なんだかややこしい本です。内部は挿絵付き少女小説です。吉屋信子、菊池寛、佐藤紅緑の3つの少女小説を短めに翻案し、勝山ひろし、江川みさおの華麗な挿絵で装丁した豪華な付録です。B6サイズのハードカバーで256頁と結構な厚さが有り、この当時の付録としては豪華な作りです。

 

 少女クラブ1960年5月号付録です。こちらも裏表別な絵がついた付録です。一応表紙側がちばてつや「ユカをよぶ海」、裏表紙側が細川知栄子「母の名よべば」です。

 最後は雑誌。ビデオくりいむレモンシリーズで有名な創映新社から出た雑誌「フェアリーダスト」です。

 

 

 

 創刊は1987年3月頃、最後の10号は1988年12月頃の刊行です。内容的には「くりいむレモン」シリーズで大当たりした創映新社が、勢いに乗って出したというよりも勢い余って出してしまったという感が強い雑誌です。エロ度に関してはあまり高くなく、どちらかというと創映新社の手がけたアニメのセルフパロディ中心の紙面づくりでした。一応隔月ペースでの刊行をしていましたが、9号と10号の間には5ヶ月ほどのブランクが有ります。最終号となった10号は、吾妻ひでおを起用するなどかなりの紙面刷新を行いましたが、結局そのまま消えてしまいました。時代のあだ花みたいな雑誌です。

 本日南部支部の市で、児童書とかイラスト集の山を落札しました。来週はそこら辺を整理してアップする予定です。

 

 

4月3日(土)
天気(晴)

 

 新年度スタートです。まーでもこういう商売していると季節の変わり目の印象は薄いです。近所の靖国神社とか千鳥ヶ淵あたりの桜は調度いい時期のようです。

 今週の新着目録です。虫プロの「月刊ファニー」とか「週刊マーガレット」とか適当です。大半が売切補充で新ネタはありません。

 

 

 「月刊ファニー」は以前にも紹介しましたが、その時はメジャーな漫画家を中心に紹介したので、今回はマイナーな作家さんを…。右上は石戸節子「風の馬」。石戸節子というよりも同人誌での真乃呼のペンネームの方が有名。この人の作品もいろんな雑誌にちらほら見かけますが、まとまって読むには難しい人です。左下は、ふじむらまちこ「すみれちゃん」。紹介しておきながらなんなんですが、実は全然詳細が不明な人です。絵は結構達者です。絵の雰囲気からして立原あゆみかあすなひろしのアシスタントじゃないかと思いますが、違っているかもしれません。右下は、あいかわ桂「エルム屋敷」。この人も絵は達者です。COMなんかでよく見かけた人です。はっきりした情報がないのですが、たしか飛鳥幸子のアシスタントだった人だと思います(大和和紀のアシスタントだったそうです)。

 

 

 マーガレットには久しぶりに、あべりつこ「ひっこめ!全ガキ連」掲載の1974年46号〜75年1号までの8冊が入荷。まとめて全部読めるチャンスですので是非どうぞ。

 本日はちょっと晩に実家の方に戻るので、日記の方は簡単に(^^;。

 来週は単行本とかいろいろです。

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮